庄原格致高校同窓会と日本の農業・日本食
2012年7月21日午後5時、大阪マルビル第一ホテルで、近畿庄原格致高校同窓会の役員会が開かれた。
庄原市の水資源、農業が話題になった。「大手飲料メーカーのテレビコマーシャルに、名水の里として庄原の森林をよく見かける。庄原の森林を8つ、山ごと買っている」「庄原高野の林檎は美味しく、中国では高値で売れている」という話を聞いた。
庄原市にある美味しい水の出る森林を、山ごと買いにきている外国資本もある(メタボ教室第261段「広島県の農業・水資源」)。庄原市は2005年、庄原市・西城町・東城町・口和町・高野町・比和町・総領町の7つの市町村が合併してできたが、財政的によかったのは農業が盛んな高野町だけだった。高野町は標高が高い寒冷地で、林檎のほかワサビなど特産品が多い。
「ここ数年、日本で最も伸びているハブ空港は沖縄の那覇空港だ。航空会社と宅配会社が協力して、物流が伸びた。アジアの主要都市へは、沖縄からだと2~3時間で行ける。獲れた農作物をその日に沖縄に送れば、翌日にはアジア主要都市に届けることができる」
「日本の食糧自給率は39%と低いが、休耕田を利用すると自給率を上げることができるのではないか」「日本は自給率をカロリーベースで示している。金額ベースにすると、日本は世界で第5位の農業大国だ。日本の農業は十分やっていける」などの意見があった。
「アメリカ・ミシシッピ川上流の大穀倉地帯は、地下水を汲み上げ、水位が低下し、2020~2030年には枯渇すると言われている。中国では黄河の流水が途絶えることがあり、地下水の水位も低下している」「日本企業が進出しているインドのバンガロールでは、地下水が枯渇し、工業用用水が不足して撤退する企業もある」という。
アメリカ・中国・インドでは今後、水不足が深刻になりそうだ。降水量が多く、森林の多い日本は、水資源に恵まれ、農業が有利になる。
日本動脈硬化学会は動脈硬化予防に伝統的な日本食を推奨している。食事療法は、エネルギー摂取量と身体活動量を考慮して標準体重(身長(m)×22)を維持する。栄養素配分に関しては、脂肪エネルギー比率を20~25%、炭水化物エネルギー比率を50~60%としている(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012:57~59ページ)。
日本の冠動脈疾患死亡率は、他の先進国に比べて極めて低い。その要因として、"日本の食材を用いた伝統的な日本食が、冠動脈疾患の予防に有効である"と考えることができる。このことは、多くの疫学的研究で示されている。日本の農業が活性化され、かつ、栄養素バランスのよい日本食が世界で普及することを期待する。