台北228和平公園太極拳と九份街歩き
2012年9月16日午前、台北郊外にある九份観光に行った。九份は宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」のモデルとなった街として知られている。
九份は1920年から40年間、金鉱の街として栄えたが、今はレトロな街並みが残る観光地となっている。山の斜面に、街が広がっていた。バスを降りるとまもなく、雨が止んだ。
急な石畳の階段を昇ると左手に、宮崎駿監督が行った「阿妹茶酒館」があった。真っ赤な提灯、木枠のある窓とノスタルジアを感じさせる。300元(810円)の"お茶とお菓子3点セット"を注文した。スモモ砂糖づけ、白と黒のゴマ煎餅、淡い緑色の落雁(でんぷん粉に水あめを混ぜ、型をつけて乾燥させたもの)が付いて来た。
窓の外は、風が強い。太平洋を見下ろすと、台風16号の影響か波が荒い。熱いお湯で茶器を暖め、聞香杯にお茶を注ぎ、飲杯に移して飲んだ。細長い聞香杯のお茶の香りを楽しむ。何度でもお茶が飲めるように、茶葉とお湯が置いてあった。宮崎駿も窓の外の景色を眺めながら、お茶を楽しんだことだろう。
9月17日午前、国立台湾大学病院に行った。地下鉄圓山駅から台大医院駅まで、淡水線で20元(54円)だった。
台大病院は駅東側にあり、玄関を入るとホールは混み合っていた。表示が内部、外部、骨部、婦産部、泌尿部、耳鼻喉部、眼部、精神部、神経部、老年部、家庭医学部、腫瘍部、検査もX光、心電図、抽血、験尿など漢字が使われており、意味がわかりやすい。
歩いて駅西側にある「228和平公園」に行くと、大阪高槻城跡公園で行なわれている太極拳のように、緑の木々の下で太極拳をしていた。
24式太極拳をしている人、スワイショウ(両手を投げ出すように大きく振る)をしている人、三円功立禅(両腕、両手、両脚で3つの円を作る)をしている人、赤い扇子を持ち舞っている中年女性グループ、向かい合って武術としての太極拳をしている中年男性などを見かけた。
228公園南門を出ると、右に赤いレンガの総統府が見えた。総統府は台湾総統が執務を行う行政府で、近くには法務部最高法院、国防部、交通部などがあり、官庁街になっている。
今年7月15日、台湾衛生署国民健康局は、「台湾成人の男性2人に1人、女性3人に1人が過体重で、日本・シンガポール・中国などアジア7カ国中、最も肥満の頻度が高い」という調査結果を公表した。
7月20日、台湾の肥満率が高いことに対し、馬英九総統は、台湾各地にスポーツセンターを作る考えを示し、国民に運動するよう呼びかけている。台湾も、日本のように肥満対策に乗り出したようだ。