格致高校同窓会と学びの原点
2012年10月27日、大阪マルビル第一ホテルで近畿庄原格致高校同窓会が開かれた。
来賓で来られた庄原格致高校の三宅康生校長は「今年、写真部が全国大会で3位になった。ブラスバンド部が6年ぶりに広島県大会で優勝し、全国大会に出場した」と挨拶された。
私が高校時代、ブラスバンド部は、毎年のように全国大会に出場していた。広島カープの赤ヘル旋風が起こった頃、バックスクリーン横に陣取り「パンパーラ、パパ、・・」とトランペットで応援していたのは、庄原格致高校ブランスバンド部出身者だった。
午後0時45分から、大阪工業大学情報科学部の積山(つみやま)敬経教授による「学びの原点―格物致知の精神に懐かれて」の講演があった。
「日本で格致を冠にした学校は庄原格致高校のみだ。格致は中国の四書五経の一つ"大学"の中の八条目(格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下)に由来している。"大学"は官僚育成のためのエリート教育のために作られた。庄原格致高校も、エリートを養成するために作られたものだろう。
学びは生やさしいものではなく、厳しいものだ。学の元の漢字は "學"で、4つの部分から成り、臼は両手を表わす。學の本来の意味は、道理に疎い子どもを両手で叩きながら教えることだ」と話された。
四書は"論語、孟子、中庸、大学"から成る。大学の八条目は"物ごとを正しく見れば知ることができ、意が誠になって心が正しくなる。行ないも正しくなると家も斉(ととの)い、国が治まれば世界も平和になる"という意味で、八条目の基本になるのは格物と致知だ。
懇親会では、外資系生命保険会社の創業者・大竹美喜(よしき)社長が話題になった。毎日新聞2012年10月11日朝刊に「時代を駆ける:大竹美喜」のタイトルで、「生まれたのは中国山地の山麓部にある広島県庄原市です。小学校でも通学には1時間半、往復3時間。冬は2メートルの雪(メタボ教室第397段「雪国」)、私の独立心と反骨精神は、厳しい自然環境の中から生まれました」と書かれている。
大竹社長は、2005年の庄原格致高校同窓会総会で、講演をされている。翌年、私が講演をするとは想像さえしなかった。2005年4月からメタボが注目され、2006年11月4日に庄原グランドホテルで開催された総会で、「内臓脂肪と生活習慣病―メタボリックシンドロームを中心として」の講演をすることができた。
庄原小学校の庭には、薪を背負った二宮金次郎の銅像が建っていた。読んでいるのは大学か論語だ。学んで時に之を習う、亦悦ばしからずや(論語)。いつでも、どこでも、どんな逆境でも学ぶことはできる。