京都宝ヶ池の紅葉とハンディ型HbA1c測定器
2012年11月17日、国立京都国際会館で「第49回日本糖尿病学会近畿地方会(石井均会長)」が開催された。
午前8時30分自宅を出発、中国道・名神高速道を通り京都に向かった。京都御所周辺の黄色いイチョウがきれいだ。
10時10分、宝ヶ池にある京都国際会館に着いた。日本内科学会評議員をしていた頃、ここで天皇・皇后両陛下とお会いすることができた(メタボ教室第39段「小児メタボ診断基準」)。周囲の山は少し色づき始めている程度だが、駐車場から国際会館への道路沿いの木は、鮮やかに紅葉していた。
学会場で、市立伊丹病院の看護師さんとばったり出会った。「佐藤先生と貞広先生が頑張って、糖尿病教室や患者会をつづけていますよ」と聞き、うれしかった。貞広克彦先生は、父が亡くなった時、朝川秀樹先生(現吹田市開業)と林功先生(現関西労災病院糖尿病代謝内科)といっしょに、遠い広島県庄原市まで通夜に来てもらい、母も喜んでいた。
午後0時30分から、評議委員会があった。「11月24~27日京都国際会館で開催される第9回IDF-WPR(国際糖尿病連合-西太平洋地区学会)の参加者は、日本が1168人、海外が1432人となっている」と報告された。日本人の参加者比率は45%で、1990年神戸で開催された第6回国際肥満学会の日本人比率45%と全く同じだ。
タイ171人、インドネシア119人と、東南アジアからの参加も多い。今月初め、インドネシア在住の人と話をした時、「日本企業の進出が、急激に増えている。ジャカルタには日本人が多く、日本人学校は生徒数1000人を超えるマンモス校になっている。病気になったとき、以前はシンガポールまで行っていたが、いい病院もできている」と聞いていた。
午後3時20分から、一般演題の座長をした。和歌山医大の富坂竜矢先生による「簡易HbA1c測定装置A1cNowプラスの基礎的検討」があった。コンパクトで持ち運び可能なハンディ型HbA1c測定装置を検討している。「再現性もよく、ロット間差もわずかで、HPL法との相関もいい。冷蔵庫から出した直後は低値になり、35℃で60分保存すると高値になるので、使用時の温度に注意すれば臨床応用可能である」と発表された。
私が「費用はいくらかかるのか?開業医などが対象となるのか?」と質問すると、「500円ぐらいになる。5分で測定できるので、開業医が往診先でも使用できる」と答えられた。
市立伊丹病院時代は、530人の糖尿病患者さんに自己血糖測定器を使ってもらっていた。ハンディ型HbA1c測定装置が確立し普及すると、開業医の日常診療・往診や過疎地域での糖尿病診療に役立ちそうだ。