「リトルチャロの冒険」とエッセイの書き方
2012年11月15日、朝刊1面の大見出しは「衆院選12月16日投票」「あす解散4日公示」だった。
1面下の"産経抄"が面白い。野田佳彦首相を藤沢周平映画「必死剣鳥刺し」の主人公"兼見三左エ門"に例えている。「野田首相は藤沢周平など時代小説の大ファンで、必死剣鳥刺しを読んでいるはずだ。大勢の藩士に囲まれ絶体絶命となり、ついに必死剣鳥刺しの技が繰り出される。映画では豊川悦司さんが演じて、見事な殺陣を演じていた」と書いてあった。
私も藤沢周平作品が好きで、封切られると映画館に行っている。東映太秦の映画監督に聞いて、ロケ地巡り(メタボ教室第142段「彦根の食・ロケ地」)をしたこともある。藤沢周平が生きていたら、今の日本の政局を、海坂藩を舞台にしてどう描くのだろうか。
午後6時、ウエスティンホテル大阪で作家・演出家の"わかぎゑふ"による「創造しい神様たち」の講演があった。
赤い服を着たわかぎ氏が受付の所に立たれていたので、「夕方5時からテレビ見てますよ」と声をかけると、「明日、5時からキャスター(関西テレビ)に出るので、見てください」と両手を挙げて左右に振られた。小柄で童顔だが、53歳になられるという。
わかぎ氏は「私は父が56歳の時に生まれた子で、幼い頃、父はよく女性の話をしていた。男性から見た女性を描く時、役に立っている。私の本名は○木F子で、若木先輩の名前と私のイニシャルFを合わせて芸名にした。バイトをしながら演劇をつづけていた頃、コピーライターの中島らも氏と知り合い、らも氏のマネージャーになった」と語られた。
リトルチャロの冒険は、2008年4月から1年間、NHKで放送された全編英語のテレビアニメで、英語の勉強にもなると人気があった。2010年にはリトルチャロ2、2011年には"リトルチャロ"東北編"が放送されている。
わかぎ氏は「5年前の7月7日、大阪NHKから"ニューヨークで迷子になった子犬が日本に帰るまでの話を、7月中に50話書いてほしい"とFAXが来た。ラジオとアニメとインターネットをコラボするものだった。犬の耳が茶色と白だったので、名前をチャシロにしようと思ったが商標登録されていて、チャロになった。リトルチャロ2は"あの世の話"で、相愛中学・相愛高校と6年間仏教系の学校に通っていたのが役に立った」と話された。
エッセイの書き方について、わかぎゑふ氏は中島らも氏から「人と話をするときと同じように、結果を先に書け」と言われたという。医学論文も起承転結の結(要約・抄録)を先に書く時代になっている。