大和葛城山ロープウェイと小児肥満のリポ蛋白代謝異常

2012年12月 1日

    20121124日、奈良県御所市にある大和葛城山に登った。

午前1020分自宅を出発、阪神高速・南阪奈道を通り、1時間10分で葛城山ロープウェイ駐車場に着いた。西日本全てのロープウェイに乗った友人から、「大和葛城山ロープウェイが大和三山が見えて眺めがいい」と聞き、行くことにした。葛城登山口駅の横にある曹洞宗不動寺のカエデが真っ赤できれいだ。

 

1155分発のロープウェイに乗った。乗客27人中、小さな子供が14人いて賑やかだ。山の中腹から、紅葉が多くなってきた。眼下に奈良盆地が広がり、正面中央に三角形の畝傍山198.8m、その左奥に同じく三角形の耳成山139.6m、右奥になだらかな天香具山154.4mが見える。「春過ぎて 夏来たるらし 白たへの 衣干したり 天香具山」、万葉集にある持統天皇の歌が思い浮かんでくる。

 

葛城山上駅は3℃と寒い。50m歩くと、葛城山頂600mの標識があり、山頂まで歩いて行くことにした。白樺食堂まで来ると、右に山頂への登り口があった。急斜面を登ると、360度の展望が広がった。頂上は広く、ススキが多い。

 コンクリートの台の上に案内板があり、「大和路展望台、現在地959.7m」と書いてある。大和三山の左には桜井市・奈良市が見え、右は明日香村、五條市へとつづく。振り返ると、右遠方に高層ビル街が見えた。梅田だ。堺の工業地帯、左には関西空港の高層ビル、・・遠くに六甲山の山並みも見える。思いがけず、大阪平野を眺望することができ感動した。

 山の頂上に登るのは、27年ぶりになる。19851010日に、西宮市甲山に登った 表示。麓から1時間かけて登った甲山山頂で、3歳の娘が山の中を走り回り 表示、迷子にならないか心配したのは、ついこの前のことのようだ。

 

帰路、国道24号線沿いの日本料理"和楽心"で、お造り御膳を食べた。「新庄店」となっている。懐かしい名前だ。昭和50年代、新庄町(現奈良県葛城市)で肥満児検診をしていた。当時は南阪奈道がなく、早朝5時半に起床し、西名阪道の法隆寺インターから大和高田市街を抜け、2時間かけて新庄町に行っていた。

小児肥満は成人肥満と異なり、コレステロールや中性脂肪がそれほど高くなくても、動脈硬化を防ぐHDL(低比重リポ蛋白)が低下し、VLDL(超低比重リポ蛋白)とLDL(低比重リポ蛋白)が増加するというリポ蛋白代謝異常が存在する(Tokunaga K, et al : Int J Obes 1982 表示  )。 

小児肥満ではHDL(善玉)コレステロールの低下などリポ蛋白代謝異常や高インスリン血症、高血圧等、動脈硬化の危険因子をともないやすい。動脈硬化の予防には、小児期からの肥満対策が必要だ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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