宮城県の食と聴力低下・メタボリックシンドローム
2013年1月25~26日、ウェスティンホテル仙台で第41回日本総合健診医学会(千哲三会長)が開催された。
1月24日、伊丹空港から午後7時35分発ANA739便9A席で、仙台空港に向かった。仙台空港のある岩沼市は、大阪空港のある伊丹市と姉妹都市で、東日本大震災の時は伊丹市のボランティアが救援活動をしている。仙台国際ホテル1218号室に宿泊した。仙台の街は雪がうっすらと積もり、凍える寒さだった。
1月25日、ホテルの朝食のご飯には宮城県産ひとめぼれ、味噌汁には仙台味噌が使われ、ホテル特製牛タンハム、笹かまぼこ、石巻風焼きそば、ずんだもち、宮城県白石市の"白石温麺"があった。白石温麺は白石城主・片倉小十郎が名付けた麺で、油を一切使わず胃腸にやさしい。片倉小十郎は伊達正宗の名参謀として知られ、天下人秀吉からも高く評価されている。
午後2時10分から若手奨励セッションがあり、みどり健康管理センター熊田佳子らによる「ドック・健診腹部超音波による膵癌検診について」など、奨励賞に選ばれた5演題の口演があった。
進興クリニック齋藤優子らは「聴力低下に及ぼすメタボリック症候群の影響」のタイトルで、「40~79歳の受診者5万7836名を対象に、聴力とメタボリック症候群関連因子(耐糖能異常・軽度高血圧・脂質異常症)を調べた。聴力低下者では耐糖能異常および軽度高血圧の頻度が高かった」と発表された。
フロアから私は、「私たちも1万4000人を対象に、聴力と糖尿病・高血圧・脂質異常症を検討し、聴力低下者では糖尿病が1.2倍、高血圧1.2倍、メタボリックシンドロームは1.5倍になっていた。聴力低下とメタボとの関係はどうだったか?突発性難聴は生活習慣が乱れた人が多いとの報告があるが、生活習慣はどうだったか?」と質問した。
また、「難聴になると、コミュニケーションが取りにくくなり、認知症になる可能性がある。メタボ対策は大切だ」とコメントした。
午後5時30分から、グランドボールルームで懇親会・表彰式があった。仙台のホテルの牛タンは美味しい。「こんな厚い牛タンを食べるのは初めてだ」「ホテルは牛タンにメンツをかけている」と、男の人達がおかわりをしている。分厚い牛タンにもかかわらず、とろけるように柔らかい。私も牛タンのおかわりをした。
最優秀若手奨励賞に齋藤氏が選ばれ、他の若手奨励賞の4人とともに、今年102歳になられる日野原重明理事長 表示より表彰された。
メタボリックシンドローム・糖尿病・高血圧は、聴力低下と関連している。難聴は認知症を発症しやすい。難聴・認知症予防の面からも、メタボ対策は重要だ。