成田山お宮参りと東北地方の医学部新設
2013年3月10日、大阪市寝屋川市にある「成田山大阪別院明王院」に、初孫のお宮参り(初宮参り)に行った。
お宮参りは赤ちゃん 表示の無事を感謝して、生後1~6か月後に報告する日本の伝統行事で、父方の祖母が赤ちゃんを抱く 表示。最近は、赤ちゃんの両親と両祖父母の7人で行うことが増えている。
午前11時30分、赤ちゃんの"無事成長、身体健全"を願う護摩供祈祷が始まった。堂内に、赤ちゃんの元気な泣き声が響きわたる中、54人の名前が呼び上げられた。
赤ちゃんの顔は、実に表情豊かだ 表示。いつまで見ても見飽きない。育児はしんどいが、その分喜びも大きい 表示。
帰宅すると、どのテレビも東日本大震災特集をしていた。「被災地の医師不足が深刻になっている」と伝えている。東北地方は、人口当たりの医師数が少ない。過疎地では産科・小児科医が不足し、出産・育児に不安を持った若い夫婦が、その地を離れることもあるという。
宮城県の村井嘉浩知事は2月21日、東日本大震災の復興に向け、医学部新設の要望書を「東北地方に医学部の新設を推進する議員連盟」の大島理森会長、石破茂幹事長に提出。東北への大学医学部新設は昨年5月、75市でつくる東北市長会(会長奥山恵美子仙台市長)が全会一致で承認している。
これに対し、日本医師会・東北大・福島県立大・岩手医大は「医師を新設学部の教員に振り替える必要が生じ、医師不足が加速する」と文科省・厚労省に慎重な対応を要望している。反対するのも理解できる。このまま医学部が新設されると、医師不足は益々厳しくなる。
後輩医師たちは以前、「新しく医学部が新設されても、卒業生が出るまで6年かかる。若い医師は専門医志向が強い。すぐにできる方法として、被災地に勤務すれば専門医が取得できるとか、専門病院に行けるとかのインセンティブを与えればいい」と言っていた。
私には、被災3県の医師不足を加速させないで、東北地方の医学部新設を可能にする秘策がある。それは、東北地方に勤務している医師の新設医学部採用枠を、10%以下に制限することだ。
地域病院からの医師流出を防ぐことができ、東北地方の医師数は増加する。全国の大学には、助教になれない無給の医局員が大勢いる。有給のポストができれば、東北地方の新設医学部に喜んで行くだろう。新設医学部の卒業生は、東北地方で研修するしくみを作ればいい。
孟子曰く「人皆人に忍びざるの心あり」。東北地方、特に被災地域の医師不足は深刻だ。日本人の持つ「惻穏の情」で、国・医師会・大学が叡智を出せば、東北地方の医師不足・医師偏在の解消も不可能ではない。