肥満・CKDと戦国武将の健康カルテ
2013年9月7日、ホテル・アゴーラリージェンシー堺で、「第35回関西総合健診医学懇話会(小林亮会長)」が開催された。
午後1時、ホテルの玄関前には大型バスが停まり、駐車場は満車になっていた。世話人会がある3階へ下見に行くと、"関係者以外立ち入り禁止"の看板があり、ひっそりとしていた。
25階にある「日本料理なにわ」で、大阪湾を眺めながら"なにわ御膳"を食べた。眼下に工場地帯、海岸沿いに緑の木の公園が見える。このホテルに来るのは15年ぶりだ。1998年4月15日、読売新聞の家庭医学健康講座で「見分けよう危ない肥満」
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表示の講演をした。当時のホテル名はリーガロイヤルホテル堺で、この時も和食を食べた。
午後2時20分、世話人会のため3階の"福の間"に行った。「隣の部屋に、さっきまでザッケローニ監督や本田、長友、香川選手などオールジャパンがいた。前日、長居スタジアムでのグアテマラ戦後、ホテルに宿泊、今朝は何人かの選手がホテル近くを散歩していた。ホテルの1階ロビーは、サッカーファンで鈴なりになっている」という。身近で見るチャンスを逃し、残念に思った。
一般演題で、みどり健康管理センターの相川聡美らによる「健診における肥満・メタボリックシンドロームと蛋白尿・CKDの関連について」があった。「1万193人を対象に検討したところ、メタボリックシンドローム非該当群、予備軍、該当群の順に、男女とも有意に蛋白尿・CKD(慢性腎臓病)の頻度が高くなっていた。肥満は高血圧、糖尿病を除いてもCKDの頻度が高く、肥満は直接CKDと関連している」と報告された。
特別講演は、ベルクリニックの松浦敏文医師による「戦国武将の健康カルテ」だった。信長は166㎝62㎏で、不慮の事故死。秀吉は150㎝50㎏で、急激な下痢・腹痛・食欲不振の症状から、死因は大腸がんか胃がん。家康は160㎝80㎏の肥満で、節酒し禁煙令を出した。食中毒(鯛の天ぷら)説は時期が合わず、死因は胃がん。
武田信玄は無類の酒好き・塩干物好きで、隔の病(胃がんか食道がん)で死亡。上杉謙信は156㎝骨太だが肥満傾向で、41歳で脳卒中(左片マヒ)になった。伊達正宗は160㎝、酒とタバコ好きで死因は食道がん。前田利家は胆のうがんで亡くなった。・・」など、具体的に話された。
懇親会で、松浦先生に「どうやって、戦国武将の病気を調べたのか」と聞くと、「戦国武将に関する本を集めて、健康法や病気を調べた」と答えられた。
戦国武将も現代人と同じように、塩分の摂り過ぎで食道がん・胃がん・脳卒中になるなど、生活習慣が死因と関連していた。早期発見・早期治療のため健康診断を受け、悪い生活習慣があると改善するとよい。