「人はなぜ太るのか?」とスローライフな秋祭り
2013年9月28日、神戸市中央区で「兵庫県栄養士会生涯学習研修会」が開催された。
午後1時30分~3時、「人はなぜ太るのか?」の講演をした。タイトルは主催者が決めたもので、どこかで見たような気がする。読売ライフ1998年9月号2~6ページに「人はなぜ太るのだろうか
表示」の特集記事を載せていた。
講演では、「太るとは脂肪組織が増えることで、人類の歴史は飢餓との戦いだった。エネルギーを脂肪組織に蓄えるため、目の前に食べ物があると食べてしまうのは人間の本能だ。食糧が豊富になり、いつでも、いくらでも食べられる時代になり肥満が増加した」と話した。
午後3時10分からシンポジウムがあり、三田地域活動栄養士の会の大隈昌美管理栄養士は「介護予防のための訪問栄養指導をしている。地域の中学校にも行って、サラダ・スープ・ピザの作り方などを教え、食育をしている」と述べられた。
兵庫県立リハビリテーション病院の河嶋智子管理栄養士は「リハビリ中の人の51%は肥満で、肥満になると変形性関節症になりやすい。ロコモティブシンドロームは要介護の原因となる。ロコモの肥満者には、減食による減量を行っている」と述べられた。
9月29日、大阪市内にある老人施設に行くと、入居者(85~99歳)とその家族による「スローライフな秋祭り」をしていた。
午前11時30分から、施設の玄関前で和太鼓演奏
表示があった。観客は車椅子の人が30人、椅子に座っている人が50人、立って観ている人が80人ぐらいか。車椅子の人は、やはり3割近い人が肥満だった。
和太鼓は高槻の同じ高校のOB(男性8人、女性7人)で、仕事をしながら活動しているという。演奏が始まると、迫力のある和太鼓に、入居者は眼を輝かせて聴き入っていた。「日本だけではもったいない。外国でも演奏すればいい」「かわいらしい女の子ばかりだ。みんな男前で、スマートな体をしている」などの声が聞こえる。
私がメンバーの一人に「素晴らしい演奏だった。海外でも演奏したらという老人もいた。今、仕事は何をしているのか」聞くと、「バリ島に行って、演奏したことがある。今年は、後輩がベルギーに行って演奏した。高槻の看護学校に通っている」と答えられた。
午後0時30分、1階多目的ホールで"まぐろ解体ショー"の新鮮なマグロ丼 表示を食べた。右片マヒで、左手でスプーンを持ってマグロ丼を食べている人もいる。赤ちゃんや、2~3歳の小さな子供が10人いた。入居者の孫か曾孫なのだろうか。赤ちゃんは、そこにいるだけでボランティアになる。
肥満になると変形性関節症などでロコモになり、ロコモになると運動量が減り肥満になるという悪循環に陥る。メタボやロコモで要介護にならないためには、肥満者はカロリー制限による減量が必要だ。