「人はなぜ太るのか?」とスローライフな秋祭り

2013年10月 1日

    2013928日、神戸市中央区で「兵庫県栄養士会生涯学習研修会」が開催された。

午後130分~3時、「人はなぜ太るのか?」の講演をした。タイトルは主催者が決めたもので、どこかで見たような気がする。読売ライフ19989月号26ページに「人はなぜ太るのだろうか 表示」の特集記事を載せていた。

講演では、「太るとは脂肪組織が増えることで、人類の歴史は飢餓との戦いだった。エネルギーを脂肪組織に蓄えるため、目の前に食べ物があると食べてしまうのは人間の本能だ。食糧が豊富になり、いつでも、いくらでも食べられる時代になり肥満が増加した」と話した。

 

午後310分からシンポジウムがあり、三田地域活動栄養士の会の大隈昌美管理栄養士は「介護予防のための訪問栄養指導をしている。地域の中学校にも行って、サラダ・スープ・ピザの作り方などを教え、食育をしている」と述べられた。

兵庫県立リハビリテーション病院の河嶋智子管理栄養士は「リハビリ中の人の51%は肥満で、肥満になると変形性関節症になりやすい。ロコモティブシンドロームは要介護の原因となる。ロコモの肥満者には、減食による減量を行っている」と述べられた。

 

929日、大阪市内にある老人施設に行くと、入居者(8599歳)とその家族による「スローライフな秋祭り」をしていた。

午前1130分から、施設の玄関前で和太鼓演奏 表示があった。観客は車椅子の人が30人、椅子に座っている人が50人、立って観ている人が80人ぐらいか。車椅子の人は、やはり3割近い人が肥満だった。

和太鼓は高槻の同じ高校のOB(男性8人、女性7人)で、仕事をしながら活動しているという。演奏が始まると、迫力のある和太鼓に、入居者は眼を輝かせて聴き入っていた。「日本だけではもったいない。外国でも演奏すればいい」「かわいらしい女の子ばかりだ。みんな男前で、スマートな体をしている」などの声が聞こえる。

私がメンバーの一人に「素晴らしい演奏だった。海外でも演奏したらという老人もいた。今、仕事は何をしているのか」聞くと、「バリ島に行って、演奏したことがある。今年は、後輩がベルギーに行って演奏した。高槻の看護学校に通っている」と答えられた。

 午後030分、1階多目的ホールで"まぐろ解体ショー"の新鮮なマグロ丼 表示を食べた。右片マヒで、左手でスプーンを持ってマグロ丼を食べている人もいる。赤ちゃんや、23歳の小さな子供が10人いた。入居者の孫か曾孫なのだろうか。赤ちゃんは、そこにいるだけでボランティアになる。 

肥満になると変形性関節症などでロコモになり、ロコモになると運動量が減り肥満になるという悪循環に陥る。メタボやロコモで要介護にならないためには、肥満者はカロリー制限による減量が必要だ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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