大阪大正区の食・街歩きと果糖・内臓脂肪型肥満
2013年10月19日、大阪市大正区街歩きをした。
午後12時30分、大正区平尾から南恩加島界隈を散策した。大正区は人口6万7000人の4分の1を、沖縄出身者とその家族で占めている。港が近く、IHIなど工場が多い。
午後1時20分、沖縄料理店「うるま御殿」に行き、"テチビ汁定食"を食べた。24畳敷きで、舞台にはマイクが3本、太鼓が2つあり、毎晩午後9時と10時30分に民謡ショーをしているという。沖縄の人は情熱的だ。
テチビ(豚足)はよく茹で脂抜きされており、テチビ汁には大きく切った大根・人参・茄子や昆布が入っていた。炊き込みご飯に、切り干し大根と白菜の煮物の小鉢が2皿、漬物、フルーツがついている。もずくの天ぷら、らっきょの天ぷらなど珍しいメニューが多い。
沖縄料理は野菜が多くヘルシーなのに、何故、沖縄で肥満が増加したのか?今月開催された日本肥満学会のシンポジウムやランチョンセミナーでは、ファーストフードが大きな要因として取り上げられていた。
ファーストフードのソフトドリンクには、高果糖コーンシロップが入っている。Lustigは2012年のNatureに「果糖を過剰摂取すると肥満になり、インスリン抵抗性、高血圧、高尿酸血症、心筋梗塞、脂質異常症、膵炎、肝機能障害(NASH)を引き起こす」とコメントしている。
後輩医師は「スーパーやコンビニで売っているソフトドリンクの多くに"果糖・ブドウ糖液糖"が入っている。一般の消費者は、果糖という言葉に果物を連想し、果糖はいいものだという誤解がある。食品表示は成分の多い順に書いてある。ペットボトルの成分表に"果糖"が記載してあるかどうか確認して買うとよい」と言う。
内臓脂肪型肥満について、週刊朝日(1998年11月25日号94~96ページ
表示)から取材を受けた時、「ラットに砂糖を過剰投与したら、内臓脂肪が蓄積した(メタボ教室第436段「果糖・コーンシロップ」)。砂糖や果糖には注意が必要だ」と話した。
その後、Stanhopeらによって、果糖を過剰摂取すると内臓脂肪を増やすことがヒトで証明された(JCI 2009)。エネルギー比25%の高果糖飲料を10週間飲み続けた群では、ブドウ糖だけを飲んだ群に比べ、CTスキャンで測定した内臓脂肪量が有意に増加している。
日本での砂糖消費量は、この30年で1日64gから53gへ減少しているが、トウモロコシから作られる果糖・ブドウ糖液糖など異性化糖の摂取量は17g増加している。
果糖の過剰摂取は内臓脂肪を蓄積させ、生活習慣病を引き起こす。果糖を摂り過ぎないためには、ファーストフード店では果糖抜きドリンクを飲み、食品・飲料は成分表示をよくみて選ぶとよい。