映画「永遠の0」と南太平洋諸国の肥満・糖尿病
2013年12月23日、尼崎キューズモールに映画「永遠の0」を観に行った。
午後3時、館内は男女ほぼ同数で、子供から中高年まで年齢層が幅広い。百田尚樹原作のベストセラーを映画化したもので、0とは零戦のことだ。司法浪人の佐伯健太郎(三浦春馬)と姉の慶子(吹石一恵)は、「海軍航空隊一の臆病者」と呼ばれた実の祖父・宮部久蔵(岡田准一)が、なぜ神風特攻隊に志願したのか探っていく。
宮部久蔵が「生きて日本に帰り、妻・松乃(井上真央)と娘・清子を守ろう」という気持ちに共感し、途中から何度も手で涙をぬぐった。周囲からも、すすり泣く声が聞こえてきた。太平洋戦争を知らない世代に、戦争の悲惨さを伝えていく感動的な映画だった。
友人は「大国がパプアニューギニア・ソロモン諸島・ミクロネシア連邦からバヌアツ・フィジー・トンガ・サモア・クック諸島にかけ巨額の経済援助を行っている。110億円かけて港湾整備を行なっている所もあり、近い将来軍港となって、大国の軍事拠点になるかもしれない」と言う。
今年5月のUSC同窓会ソウルのシンポジウムでは、「米国の太平洋の軍事拠点はカリフォルニア州サンディエゴで、ハワイを経由してグアムに行き、グアムが日本・韓国などを支援する軍事拠点になっている」と、USC教授は話された。
映画の中に出てきた"ラバウル"はパプアニューギニアにあり、"ガダルカナル"はソロモン諸島にある。大国がグアムの後背地になる南太平洋地域に軍事拠点を作ると、米国への脅威となり、南太平洋地域が70年前のような戦場になる可能性も出てくる。日本はどうしたらいいのか?
南太平洋諸国には肥満・糖尿病が多い。2008年のBMI30以上の肥満は、フィジー男性21.3%・女性42.2%、トンガ男性49.1%・女性70.3%、サモア男性45.3%・女性66.7%、クック諸島男性59.7%・女性68.5%となっている。
糖尿病(空腹時血糖126mg/dl以上)は、フィジー男性13.2%・女性16.4%、トンガ男性17.0%・女性19.3%、サモア男性21.2%・女性23.7%、クック諸島20.5%・女性21.1%となっている(WHO2012)。
南太平洋諸国に肥満・糖尿病が多いのは、祖先が遠洋航海によって移住する時、飢餓に耐える倹約遺伝子を獲得し、近年になって栄養摂取量が増えたため、急速に肥満・糖尿病が増加したと考えられている。
南太平洋諸国には肥満・糖尿病の人が多く困っている。特定健診・保健指導でメタボ対策のノウハウを持っている日本は、南太平洋諸国の肥満・糖尿病対策に協力し、医療支援を行うといいかもしれない。