片岡球子「富士山」と肥満治療セカンドオピニオン
2014年1月11日、リーガロイヤルホテル大阪・光琳の間で、第62回大阪大学第二内科同窓会が開催され、200名が出席した。
午後4時、総会で物故会員に対する黙とうがあった。9名中5名がいっしょに働いたことがある。循環器脂質研究室で一緒だった4年先輩と3年後輩が亡くなり、私もいつ亡くなってもいい年代になったのだと感じた。
午後6時20分、懇親会で松澤佑次阪大名誉教授
表示は「阪大病院長時代、片岡球子の絵を正面玄関に飾った。肥満学会で弟の片岡邦三先生に頼んだら、片岡球子さんは88歳だったが、快く引き受けてもらった」と挨拶された。
片岡球子は1905年生まれで、2008年亡くなられた。2014年の職場のカレンダーは、片岡球子の「富士」にした。赤や青の大胆な構図の富士山で、季節ごとに異なった富士山が描かれている。どの富士山も力強い。
1月1日、午前0時50分からNHK教育テレビで「夢の富士山 傑作10選~巨匠たちの知られざる物語」をしていた。片岡球子が富士山を太いマジックでスケッチし、指に絵の具をつけて描いている様子が放送されていた。球子の代表作「富士に献花」では、富士山に感謝するように、きれいな花が描かれている。
1月6日、職場の年頭挨拶では、「片岡球子の富士山」の話をした。慶応大学の片岡邦三先生
表示とは、いっしょにメトロポリタン美術館に行ったことがある。写真
表示は1986年、イスラエルの国際肥満学会で死海ツアーに行った時のもので、右から2人目が片岡先生だ。長い間、肥満学会の幹事をされていたが、一昨年亡くなられた。
懇親会場で後輩医師に「正月、飛行機の中で週刊朝日を読んでいたら、先生が載っていましたよ」と声をかけられた。週刊朝日2014年1月3-10日号の85-87pに「肥満症―糖尿病にも効果がある胃の切除術が先進医療に」の記事で、セカンドオピニオン
表示をした。
現在、世界で肥満外科治療は年間33万例行われており、日本では腹腔鏡下でのスリーブ状胃切除術が、先進医療として大阪大学など9施設で認められている。
日本で最初に、肥満外科療法をされたのは千葉大学の川村功先生で、1982年に胃腸バイパス手術が施行された。川村先生とは1983年ニューヨークの国際肥満学会からの知り合いで、2011年6月、京都での日本肥満症治療学会では、会場前列に2人並んで話をした。2013年5月、お亡くなりになり、ようやく肥満外科治療が脚光を浴びようとしている時だけに残念だ。
国際学会は、海外の研究者と交流するだけでなく、国内の研究者と親しくなることができる。人脈を拡げるためにも、若手研究者は海外の国際学会に出席するとよい。