大阪昭和山公園の桜とロサンゼルスオリンピック
2014年4月5日、大阪市大正区にある昭和山公園に、桜を観に行った。
午後3時、大正大通りから昭和山(しょうわざん)公園に入ると、桜は満開
表示になっていた。小鳥のさえずりが聞こえてくる。広場では、青いビニールシートを敷いて、花見の宴会をしていた。ソテツの木もある。いい散歩道で、ウォーキングをしている人も多い。
公園内の千島体育館の前に具志堅幸司顕彰碑があり、碑文には「1984年のロサンゼルスオリンピック体操個人総合・つり輪で金メダルを獲得した具志堅幸司は、大阪市大正区で生まれ、大正小・中学校、清風高校を卒業・・」と書いてあった。
ロス五輪の年はロサンゼルス留学中で、オリンピックの聖火リレー
表示を3度見に行き
表示、柔道
表示とサッカーの試合を観戦した。
帰宅すると、テレビで「理化学研究所は、小保方晴子さんの実験ノートは3年間で100シートのノートが2冊しかなく、STAP細胞を検証できない」と伝えていた。私はどうだったか。早速、書斎に行き、USC(南カリフォルニア)時代の実験ノートを見た。USCのロゴ入りマークのノート(80シート)
表示が、2年間で10冊あった。日付と、時間は分単位まで細かく書いてある。
USCでは、毎週月曜日の午後、ブレイ教授を中心に6人の研究員(インド人のシャギール
表示ら)が集まり、1週間の実験結果を説明し、これからの実験計画を立てていた。
ブレイ教授に与えられた私のテーマは、PVN(室旁核)破壊肥満ラットだった。PVNラット作製は、世界でニューヨーク市大のスクラファーニら2人しか成功していない。PVNはVMH(視床下部腹内側核)と異なり直径1mmと小さく、大きく破壊すると太らない。
毎日、数匹のラットにPVN電気破壊を行い、翌日体重測定をし、脳の組織標本を作って、PVNを破壊しているかどうか確かめた。針の形、位置、大きさ(通電mA、秒)を変え、毎日が試行錯誤の連続で、一時は本当にPVNを破壊すると太るのか疑ったこともあった。
スクラファーニの原著通り、チャールズリバー社のSDラットを用いると、PVNラットが太った。SDラットの脳の大きさが、各社で異なっていたのだ。PVNラット作製に成功するまで200匹、8カ月を要した。
種々の工夫で、VMHラット作製成功率(1週間で40g以上体重増加)は90%、PVNラット作製成功率は60%となり、論文(Am J Physiol 1986
表示、Endoclinology 1986
表示など)を書くことができた。ラットを太らせるオリンピックがあれば、金メダルを獲れたかもしれない。
桜の名所・昭和山公園は大正区役所に隣接し、大阪市営地下鉄工事の残土でできた標高33メートルの山だった。土・日や祭日に街を歩くと、意外な穴場を発見することができ、健康にもいい。