誕生日記念「奈良洞川温泉一泊の旅」
2014年6月1日、65歳の誕生日を迎えた。記念旅行は、かねてから計画していた奈良県天川村の洞川(どろがわ)温泉に行った。
5月31日午前9時45分伊丹の自宅を出発、阪神高速・南阪奈道を通り、日本百名山の一つ奈良県大台ヶ原に向かった。外は、31℃と真夏の暑さだ。川上村の国道169号線から大台ヶ原ドライブウェイに入ると、深い緑に木々に囲まれ、急に道が細くなり、22℃と涼しくなった。緑の中に、所どころ赤いヤマツツジが咲いている。
午後1時50分、三重県との県境にある吉野熊野国立公園「大台ヶ原」に着いた。チューチュチュと、小鳥の鳴き声がひっきりなしに聞こえてきた。
上北山村から国道309号線に入ると、清流に沿って離合が難しい細い道が、昼でも暗い森の中をつづく。冬は閉鎖される"行者環トンネル"から天川村に入り、"みたらい渓谷"を通って、標高820mの天川村洞川温泉に着いた。
天川村は1300年前から修験道の聖地で、洞川温泉は大峰山(日本百名山)にある大峰山寺(世界遺産熊野古道)の門前町として修験者や参拝者で賑わっている。
洞川温泉で最も古い、創業500年の老舗旅館「花屋徳兵衛」に泊まった。竹下景子や、昨年は滝川クリステルも宿泊している。ウォシュレット・温泉露天風呂付きの「東の天空」の間は、山の斜面に吉野の木で新築された"はなれ"だった。外から、ほら貝の音が聞こえてくる。
午後5時、温泉街を散策した。観音橋の下を流れる山上川には、天然のニジマスが200匹いた。橋を渡ると、修験道の根本道場として有名な「真言宗龍泉寺」があった。龍泉寺の裏山はモミ林の自然林で、天然記念物になっている。滝の音が聞こえてくる。男女別の着替え室があり、滝に打たれて修行する水行場があった。
花屋徳兵衛に戻ると、宿の前にある水飲み場に立て看板があり、「へうへうとして水を味ふ 山頭火
表示」と書いてあった。食事は、旧館2階でした。シルバープランの"おもてなし"だろうか、畳の間にテーブルと椅子で、高齢者にやさしい。湯豆腐会席で、水のきれいな所の豆腐や蕎麦は美味しい。ニジマスの刺身や、イタドリという珍しい山菜が出てきた。
6月1日午前7時、ホーホケキョの鳴き声で目覚めた。窓の外の木に鶯が止まっている。
午前9時30分、街外れにある「面不動鍾乳洞」に行った。面不動鍾乳洞は関西最大の鍾乳洞で山の上にあり、小さなトロッコ列車
表示で登った。温泉街の向こうに大峰山が見える。洞内は年中8℃と寒い。権現の窟・羅漢窟・行者窟など、鍾乳石がつららとなって垂れ下がり、地面から石筍がのびていた。
多くの高僧・著名人が訪れた大峰山洞川温泉。神々が宿る聖なる自然の中で、65年の人生を振り返る。「天然自然
表示」、この世には人知を超えたものがある。ありのままの人生を楽しんでいこう。