大阪大学循環器内科同窓会とネイチャーメディシン
2014年7月12日、グランフロント大阪北館にあるナレッジキャピタルコンベンションセンターで「第117回日本循環器学会近畿地方会」が開催され、1300名が参加した。
午後0時から評議員会があり、新たに17名の新評議員が推薦された。昔は和文を業績に入れていた人もいたが、今は全員の業績が英文になっている。
午後3時、大阪市中央区瓦町にあるアートスペース・フジカワへ、「第25回よぎ展」を観に行った。庄原格致高校の松田昌久先輩の油彩2つが展示されており、「帝釈天・秋の雄橋」には、帝釈峡雄橋の紅葉が描かれていた。帝釈峡
表示は庄原の観光地で、大学時代に同級生
表示が来ると案内していた。
同窓会まで時間があったので、リーガロイヤルホテル大阪の地下1階にある鶴屋八幡へ、宇治抹茶ミルク白玉金時を食べに行った。鶴屋八幡は創業300年の老舗で、ここの抹茶は濃く、和菓子屋だけあって"あん"が美味しい。
午後5時30分、ホテル・光琳の間で「大阪大学循環器内科同窓会」が開催され、160名が出席した。会長の坂田泰史大阪大学循環器内科教授は「新しく20名が入会した」と挨拶された。
午後5時50分、熊本大学循環器内科の小川久雄教授による特別講演「私の循環器臨床研究」があった。
小川教授は「阪大の松澤先生たちのPAI-1(プラスミノーゲン活性化因子阻害因子1)の研究を知り、冠動脈疾患とPAI-1との関連を検討した。冠動脈に血栓のある症例ではPAI-1が上昇しており、やはりPAI-1は冠動脈疾患と関連していた」と話された。
ネイチャーメディシン(Nature Medicine 1996
表示)に載せた「PAI-1は、ヒトでもラット
表示でも内臓脂肪の蓄積にともない増加していた。内臓脂肪型肥満で血栓性血管疾患が増える一因は、PAI-1の増加による可能性がある」という論文を読まれたのだろう。
ネイチャーメディシンはネイチャーの医学版で、インパクトファクター(引用論文数の指標)も24と高い。米国USC留学中
表示のVMH破壊肥満ラットの研究には、NIHから5年で3億円の研究費が出た。
午後7時から懇親会があり、堀正二成人病センター名誉総長は「循環器の基礎医学にも力を入れてほしい。中国から投稿される基礎研究の論文数は増加し、質もよくなって中国の論文の採択率の方が高くなっている」と挨拶された。
世界の基礎生命医学論文数シェアは、2001年は米国1位30.7%、日本2位8.7%、中国15位1.4%だったが、10年後の2011年は米国1位24.5%、中国2位7.3%、日本3位5.9%と、日米の相対的低下、中国の躍進が目立つ。
日本の医学研究は基礎、臨床ともに伸び悩んでいる。日本のGDPに対する研究開発費比率は、他のOECD諸国に比べ低い水準となっている。大学・公的研究機関への研究費を増やすなど、国を挙げての対策が必要だ。