但馬安国寺の紅葉と城崎温泉西村屋かに料理
2014年11月15~16日、兵庫県豊岡市にある城崎温泉に行った。
午前9時10分自宅を出発、中国道から舞鶴道を通り、福知山インターから豊岡市但東町に行った。臨済宗大徳寺派の但馬安国寺にある"ドウダンツツジの紅葉
表示"は、燃えるような真紅で、見頃のピークを迎えていた。ドウダンツツジは樹齢100年以上で、本堂裏の築山に枝を伸ばしている。1本の木が雪の重さで横に広がったという。
昼食は、豊岡市出石町で"出石皿そば"を食べた。出石そばは豊かな風味で"こし"があり、薬味は5種(だし・ねぎ・わさび・とろろ・たまご)付いていた。
午後4時、宿泊する城崎温泉の"西村屋本館
表示"に着いた。西村屋は創業150年の老舗旅館で、犬養毅・大隈重信や、武者小路実篤など多くの文人墨客が宿泊している。廊下にはさりげなく、河井寛次郎の陶器が飾ってあった。建物は古いが、各部屋にはウォシュレットがあり近代的だ。
開湯1400年の歴史を持つ城崎温泉街を散策した。浴衣に丹前を羽織り、外湯を巡って人々が行き交う。若い人も多い。近くには、志賀直哉の定宿"三木屋"、王橋を渡ると昭和天皇が宿泊された "ゆとうや"があった。前回、家族4人で泊まった宿で、田山花袋・島崎藤村・与謝野晶子も宿泊している。
午後6時30分、部屋で"本生かに会席"を食べた。食前酒は香住の梨ワイン、前菜
表示は菊芋豆腐摺り流し・子持ち鮎有馬煮・穴子八幡巻・公孫樹丸十・白海老塩焼き他だった。お勧め肴は"地物松葉かに茹"で、蟹は地元津居山漁港で水揚げされ、かに味噌が新鮮で旨い。西村屋の蟹料理は、松葉蟹漁が解禁される11月7日から3月下旬までで、今の時期の蟹が一番美味しいという。
西村屋限定地焼酎"天のひぼこ"を飲みながら、活かに刺身を堪能した。天のひぼこは、五穀米(米・麦・そば・粟・きび)を原料とし、上品で柔らかな味がする。但馬牛の陶板焼き、温物は鱈の親子蒸しとつづく。部屋でゆっくり食べる宿の食事は格別だ。
焼き物の"活かに炭火焼き"と"かに味噌甲羅焼き"は、目の前で炭火焼きしてくれる。留肴は"蒸し鮑と彩り野菜のサラダ"だった。西村屋本館の高橋悦信総料理長は、広島県呉市豊島出身だという。豊島は瀬戸内海に浮かぶ漁業の盛んな島だ。
ご飯は、部屋で炊き上げる"こうのとり郷釜飯"だった。豊岡市の足環をした特別天然記念物のコウノトリが、今年8月中旬から、広島県庄原市山内町
表示に居着いた。山内町一帯は減農薬・減化学肥料のブランド米「里山の夢」を作る水田地帯で、カエルやオタマジャクシなど良い餌があるからだろう。
「和食」は昨年、ユネスコ無形文化遺産となっている。日本には豊かな自然と四季がある。和食は、炭水化物・脂質・蛋白質のバランスのとれた健康食だ。地域に根ざし、旬の食材を生かした和食をとるとよい。