尼崎上坂部西公園の紅葉と学校給食塩分量

2014年12月 3日

   20141130日、兵庫県尼崎市にある上坂部西公園へ行った。

午後135分自宅を出発、外は20.5℃とポカポカ陽気だ。空は青く、ところどころ白い雲が浮かんでいる。公園北の駐車場から入ると、チーチー、チュチュと鳥の鳴き声がすごい。銀杏の黄色が鮮やかだ。看板にはウォーキング1750mと書いてあった。

北側のバラ園には、赤・黄・白のバラの花が咲いていた。温室があり、赤に白のシクラメンの花がきれいだ。熱帯植物や、珍しい種類のサボテンも多い。西側正面入り口近くの看板には、公園に飛来するモズ・メジロ・ユリカモメなど36種類の鳥の絵があった。

南側のヒマラヤ桜にはピンクの花が咲いており、小鳥が20羽歩きまわっていた。東側の遊具広場では、滑り台やブランコで子どもたちが遊んでいる。JR福知山線の電車が、ゴトンゴトンと音を立て、ひっきりなしに走っていく。一部紅葉 表示も残っていた。小さな子どもとおむすびを食べている親子もいる。

 

公園には小中学生や子供連れが多かった。今、大阪市立中学校の給食について、「冷たくておいしくない」と食べ残しが問題となり、「ふりかけ論争」が起こっている。1125日、「ふりかけを認め、ご飯を食べさせる切り札にするか、塩分量など栄養部分を重視して認めないか」をめぐり、橋下徹大阪市長と市教育委員会との間で熱い議論があった。

食べ残しについて、給食は必ずしも全て食べる必要はなく、残した方がよい場合もある。体育会系クラブの生徒は高カロリーが必要となるように、エネルギー必要量は生徒によって異なる。消費エネルギーの少ない生徒は、肥満予防の面から給食を残す方がよいこともある。肥満は小児期から高血圧と関連 表示している。

給食の塩分量は国の摂取基準に従って作られており、大阪市立中学校給食の塩分は、1食あたり3g前後となっている。ふりかけをつけると塩分過多になる。日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1214歳の1日食塩摂取目標量を男子8g未満、女子7g未満としている。食事摂取基準は、健康の保持・増進を図る上で望ましい基準を示すものだ。

 

37回日本高血圧学会(101719日)で、津下一代あいち県民の森健康科学総合センター長は、「15万人の特定健診データを分析し、肥満者の45.9%が140mmHg以上の高血圧だった。若年者ほど肥満が血圧に与える影響は強く、より若い世代からのアプローチが必要である」としている。

同学会で、おのクリニックの柳瀬聡美氏は、「高血圧患者と小中学生を対象に検討し、塩分摂取量は高血圧患者より小中学生の方が多かった。小中学生ではうどん・ラーメンの汁物やポテトチップなどのスナック菓子の摂取頻度が高い。小児期から塩分の多い食品を減らして、薄味に慣れる必要がある」としている。

今の小中学生はファーストフード・外食などの影響で、塩味を好み、塩分摂取過剰になっている。日本古来のだし(かつお節、昆布)を使うなど工夫し、小中学生から減塩指導を行い、高血圧予防をするとよい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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