香川県の食と「糖尿病予防」への取り組み

2015年3月29日

   201532122日、香川県高松市に行った。

321日、高松駅前にあるJRホテルクレメント高松1408号室に宿泊した。高松に来るのは、20年ぶりだ。

 

午後1030分、香川大学の人などと繁華街ライオン通りに行き、"ごえもん"でぶっかけうどんを食べた。うどんに汁はなく、かつお節・ねぎ・生姜がついている。うどんは別腹で、甘い醤油をかけて食べるだけで美味しい。

私が「全国女性4万人 表示の調査で、血糖値が高い人は香川県が一番多かった(肥満研究2003 表示)。考察に香川県に血糖の高い人が多いのは、うどんが速く吸収されるためではないかと書いたら、査読者から根拠がないので、考察の部分は削除するようにと言われた」と話すと、「全くその通りで、香川県には糖尿病が多い。香川の人はうどん好きで、朝も夕もうどんを食べる人がいる。うどんを食べると2時間も経つとお腹がすいてくる。"うどんを食べる前に野菜を食べよう"など糖尿病予防活動が行われている」と言う。

 

322日午前1130分、栗林公園に行った。松の木がよく手入れされていて、陽射しがまぶしい。栗林公園に来るのは、小学生の時に父母姉と四国旅行に来て以来、53年ぶりだ。愛媛県の道後温泉から徳島県鳴門 表示に行き、香川県栗林公園 表示・屋島に行った。

 

午後2時、JRホテルクレメント高松の土産売り場には、和三盆や希少糖を使ったクッキーなどのお菓子が何種類も置いてあった。希少糖は、香川大学農学部の研究によって発見され実用化、量産技術が開発されている。和三盆は、高松藩主が藩士の平賀源内に命じて生まれた高級和砂糖だ。

201410月宮崎での日本肥満学会で、フロアから池田義男慈恵医大教授が「人工甘味料や希少糖について、どう考えられるか」と質問をされていた。池田先生(写真 表示右端)にはプラクティスに「肥満QA(徳永勝人編)」の書評 表示を書いてもらったことがある。肥満QAの書評は、馬場茂明神戸大学教授 表示にもDiabetes Frontierに書いてもらったことがある。

 

2011年の厚労省調査で、香川県の人口10万人当たりの糖尿病患者数は308人(全国平均185人)で、都道府県別ワースト2位となっている。その要因として、"うどんとおにぎり"といった炭水化物に偏った食事が指摘されている。

香川県では、給食のデザートにきなこ団子と希少糖入りシロップを付けるなど、希少糖を学校給食に活用する動きが広がっている。シロップには、カロリーがほぼゼロの「D-プシコース」など希少糖が15%含まれており、食後の血糖値上昇を抑える効果が注目されている。

 

糖尿病は、子どもの頃からの予防が重要だ。糖尿病ワースト2の香川県では、小・中学生の血液検査を実施、砂糖の代わりに希少糖シロップを使うなど、健康や食生活への関心を高める教育がされている。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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