香川県の食と「糖尿病予防」への取り組み
2015年3月21~22日、香川県高松市に行った。
3月21日、高松駅前にあるJRホテルクレメント高松1408号室に宿泊した。高松に来るのは、20年ぶりだ。
午後10時30分、香川大学の人などと繁華街ライオン通りに行き、"ごえもん"でぶっかけうどんを食べた。うどんに汁はなく、かつお節・ねぎ・生姜がついている。うどんは別腹で、甘い醤油をかけて食べるだけで美味しい。
私が「全国女性4万人
表示の調査で、血糖値が高い人は香川県が一番多かった(肥満研究2003
表示)。考察に香川県に血糖の高い人が多いのは、うどんが速く吸収されるためではないかと書いたら、査読者から根拠がないので、考察の部分は削除するようにと言われた」と話すと、「全くその通りで、香川県には糖尿病が多い。香川の人はうどん好きで、朝も夕もうどんを食べる人がいる。うどんを食べると2時間も経つとお腹がすいてくる。"うどんを食べる前に野菜を食べよう"など糖尿病予防活動が行われている」と言う。
3月22日午前11時30分、栗林公園に行った。松の木がよく手入れされていて、陽射しがまぶしい。栗林公園に来るのは、小学生の時に父母姉と四国旅行に来て以来、53年ぶりだ。愛媛県の道後温泉から徳島県鳴門
表示に行き、香川県栗林公園
表示・屋島に行った。
午後2時、JRホテルクレメント高松の土産売り場には、和三盆や希少糖を使ったクッキーなどのお菓子が何種類も置いてあった。希少糖は、香川大学農学部の研究によって発見され実用化、量産技術が開発されている。和三盆は、高松藩主が藩士の平賀源内に命じて生まれた高級和砂糖だ。
2014年10月宮崎での日本肥満学会で、フロアから池田義男慈恵医大教授が「人工甘味料や希少糖について、どう考えられるか」と質問をされていた。池田先生(写真
表示右端)にはプラクティスに「肥満Q&A(徳永勝人編)」の書評
表示を書いてもらったことがある。肥満Q&Aの書評は、馬場茂明神戸大学教授
表示にもDiabetes Frontierに書いてもらったことがある。
2011年の厚労省調査で、香川県の人口10万人当たりの糖尿病患者数は308人(全国平均185人)で、都道府県別ワースト2位となっている。その要因として、"うどんとおにぎり"といった炭水化物に偏った食事が指摘されている。
香川県では、給食のデザートにきなこ団子と希少糖入りシロップを付けるなど、希少糖を学校給食に活用する動きが広がっている。シロップには、カロリーがほぼゼロの「D-プシコース」など希少糖が15%含まれており、食後の血糖値上昇を抑える効果が注目されている。
糖尿病は、子どもの頃からの予防が重要だ。糖尿病ワースト2の香川県では、小・中学生の血液検査を実施、砂糖の代わりに希少糖シロップを使うなど、健康や食生活への関心を高める教育がされている。