徳島県祖谷温泉の食と「地域医療を支える人たち」
2015年4月18~19日、徳島県三好市にある祖谷温泉に行った。
4月18日午前10時自宅を出発、中国道・神戸淡路鳴門自動車道・徳島自動車道を通り、三好市三野町に入った。三好市は吉野川上流にあり、高知県・愛媛県・香川県に接している。
午後2時、「地域の医療を支える病院」の見出しで、A新聞に大きく掲載されたことのある「三野田中病院」を訪ねた。院長は学会出張中で、副院長に病院を案内してもらった。院内は明るく、若い看護師さんや健康運動指導士の人たちが、生き生きと働いている。CT・MRI・胃カメラなどの装置もそろい、リハビリ設備は最新のマシーンが揃えてあった。
午後3時45分、「祖谷のかずら橋
表示」に着いた。かずら橋は平家一族が追っ手から逃れるため、いつでも切り離せるようにシラクチカズラのつるを編んで作られている。深い渓流にかかっており、板が細く空き間が広い
表示のでスリル満点だ。
20歳ぐらいの若い男女が10数人、後ろから渡ってくる。男の子が吊り橋を揺らすたびに、女の子が「きゃあ、きゃあ」と声を上げる。私にも、ああゆう時代があったのだ。生老病死。人は生まれた時から苦の世界が始まり、人生の大部分は苦しみの中にある。自ら進んで求めないと、喜びや楽しみを感じる時はやって来ない。
午後5時、祖谷渓にある「和の宿ホテル祖谷温泉」に着き、606号室に宿泊した。英語で会話している東アジアの人も何組かいる。ホテルのケーブルカーに5分乗り、V字渓谷に降りると露天風呂があった。
午後7時、夕食を食べた。春の前菜七点盛り、あめごの姿造り、大歩危祖谷のそばすべし、と地元の食材を使った料理がつづく。"剣の山の鹿肉ロースト"はくせがないので食べやすく、"阿波牛と阿波尾鶏の鉄板焼き"も美味しい。
女将さんが来られたので「シャレた料理ですね。女将さんは地元出身ですか?」と尋ねると、「地元です。以前は湯豆腐や山菜など、どこでもある料理を作っていたが、2年前から板前と一緒に新しいメニューを考案し、3カ月ごとに料理を変えている。三野田中病院も知っている」と答えられた。
9時に床に就き、目覚めたのは翌朝7時だった。このところ睡眠不足の日がつづいていたためか、10時間ぐっすり眠れた。
4月19日、窓の外の新緑
表示がきれいだ。朝食
表示は、和食と洋食にした。どの料理も凝っている。
午前9時50分宿を出発、「大歩危川下り
表示」に行った。鯉のぼりが150本はためいている。海外からの観光客が多い。土産店に、国別に小さく丸い赤いシールがはってあった。香港260人と台湾200人が圧倒的に多い。次いで、オーストラリア60人、アメリカ50人、中国25人、シンガポール20人、韓国15人などとなっている。店の人によると「海外からの個人客だけで、団体客は含まれていない」という。
平家の落人(おちうど)が逃れて暮らしていた辺境の地「大歩危・祖谷地区」にも、海外の観光客の波が押し寄せていた。祖谷地方の人々の健康は、地域医療に熱意を持った人たちによって支えられている。