夏の鈴虫寺とJR京都駅ビル
2015年7月12日、孫を連れて京都市西京区にある鈴虫寺に行った。
午前9時自宅を出発、中国道・名神高速を通り、大山崎インターから鈴虫寺
表示に行った。暑い中、石段の下まで長蛇の列になっていた。10時30分から、4000匹の鈴虫の鳴き声を聞きながら、講話を聴いた。書院の中はクーラーが効いて涼しい。若いカップル、若い女性連れ、2~3才の小さな子供も多い。
お坊さんは「仏教の根本は、苦しみを集めずに生きることだ。今日は3つの漢字を覚えて下さい。
1番目は"素"で、何も飾らないこと。ありのままに生きる。憂い、悲しい、腹が立つことを受け入れると、ずっと楽になる。病気になった時、精神が受け入れずにいると苦しくなる。体が悪くなっても、心で一旦病気を受け入れると、精神的に安定し治りも早い。
2番目は"磨"で、自分を磨く。腕を磨き、心の内側を磨く。
3番目は"歩"で、幸せは歩いて来ない。だから歩いて行く。自分から進んで歩く。人と比べると、自分はダメだと苦しむ。幸せそうな友達と比べることをしない。素と磨と歩で"スマホ"と覚えておくとよい」とユーモアたっぷりに話された。
午後0時15分、京都が世界に誇る巨大建造物"JR京都駅ビル
表示"を観に行った。35℃と今年一番の、うだるような暑さの中、欧米人や中国人団体客の姿が目立つ。京都駅ビルは谷をイメージした建物で、グランヴィアホテル京都は東山、三越伊勢丹は西山を表す。上部は回廊でつなげ、3次元的な街になっている。
朝のテレビ番組"報道2001"と"サンデーモーニング"のトップ項目は、東京オリンピック会場の"新国立競技場"だった。「建設費用が1300億円から、2520億円と2倍になった。北京の430億円、ロンドンの645億円、リオデジャネイロの480億円に比べ桁違いに高い。前回の責任者は佐藤栄作だったが、今回は責任者がいない。ザハ・ハディド氏を強く推した審査委員長のA氏は、有識者会議を欠席した」と伝えていた。
京都駅ビルの設計審査の中心にいたN氏が、17年前「京都駅ビルのコンペに、A氏など7人が応募してきた。世界で最初の立体都市・梅田スカイビルを設計した原広司を選んだ。佐藤栄作の長男・佐藤龍太郎が責任者で、1500億円かかった」と言われた言葉を思い出す。
設計会社社長の友人は、「A氏は世界的な権威で、中小規模の建築物の設計には才能があるが、巨大な建造物の設計は得意ではない」と言う。原広司の設計した梅田スカイビルは、今や"世界を代表する20の建造物"になっている。N氏には先見の明があり、N氏のような人が新国立競技場の選考委員になっていたらと思う。
肥満が専門の私に、消化器の論文の査読(審査)依頼が来たら困るように、責任を押し付けられているA氏も、迷惑なことだろう。責任者を決めず、審査委員長を選んだ時点から、ボタンのかけ違いがあったのかもしれない。
京都には神社・仏閣・JR京都駅ビルなど、子や孫の世代に負担をかけない建造物が多い。素・磨・歩。世界の観光都市ランキングで、2年連続1位に選ばれている京都は、行くと何かが得られる不思議な街だ。