阪神電車各駅停車の旅と「県美亭ワンコイン寄席」
2015年9月20日、阪神電車各駅停車の旅に出た。
午前10時20分自宅を出発。暑くもなく、絶好の行楽日和だ。阪神尼崎駅に駐車し、行き先を決めず、10時54分発高速神戸行き各駅停車に乗った。来たことのない岩屋駅(神戸市灘区)で下車した。各駅停車はのんびりしている。ここまで50分かかった。サルコぺニア(筋肉減少)予防のため、地下のホームから1階へはエレベーターを使わず、階段を歩いて登った。
岩屋駅
表示近くの割烹「さくら」で、「淡路産天然ハマチ塩焼き定食
表示」を食べた。小鉢・茶わん蒸し・味噌汁が付いていた。やっぱり和食はいい。店主に「この辺りで、どこか見るところがあるか」聞くと、「この前の通りを海に向かって下っていくと、県立美術館がある。昨日から始まったパウル・クレー展はよかったそうですよ」と勧められた。
兵庫県立美術館
表示まで歩いて行った。「パウル・クレー展」は9月19日から11月23日まであり、敬老の日の9月21日は65歳無料と看板が出ていた。館内は子供(中学生以下は無料)・若い人・中年は多いが高齢者は少ない。高齢者は、敬老の日に来るのだろうか。
パウル・クレーは20世紀を代表するスイスの画家で、謎めいた部分に迫る個展となっている。パウル・クレーの絵には、いろいろな仕掛けがある。台紙の上に絵が貼られ、下には制作年の他、クレー自身がしたランク付けが書いてある。最高級の"特別クラス"の作品40点が出展されていた。
パウル・クレーは幼少期からヴァイオリンを弾き、音楽に造詣が深い。絵画にも音楽の影響が表れ、ポリフォニー(多声楽)な作品も多い。それぞれの部分が独立対等でありながら、バラバラにならず、うまく溶け合っている。代表作「赤のフーガ」の前では、子どもにお母さんが「これ面白いのよ」と教えていた。
午後2時から、レクチャールームで露の吉次と桂三歩出演の「県美亭ワンコイン寄席
表示」をしていた。1人500円と安く、観客は中高年者が多い。午後1時40分には、140の椅子は満席となり、後は立ち見になった。
露の吉次の「猫の災難」は35分あった。露の吉次は尼崎市出身で、昭和62年露の五郎兵衛に入門している。
桂三歩は和歌山県田辺市出身で県立田辺高校を卒業、昭和56年関大落研の先輩・桂三枝(文枝)に入門。2014年10月には、大桑文化奨励賞を受賞している。
桂三歩の「悲しみよありがとう(桂三枝作)」は、恩師のお通夜に集まったクラスメートが、同窓会さながらに、級友たちの噂話をする。現代社会のどこにでもありそうな話で、観客は爆笑の渦になった。桂三歩のノリもよく、時間を感じさせない面白さで、あっという間に50分が経っていた。
連休の郊外は、渋滞が多い。阪神電車各駅停車の旅では、偶然降りた岩屋駅でパウル・クレー展と、県美亭ワンコイン寄席を観ることができた。各駅停車で見知らぬ駅に降りると、そこには何か面白いことがある。