医学の未来・ビッグデータと上海蟹
2015年10月31日、中国上海市浦東にあるグランドハイアット上海で、「南カリフォルニア大学(USC)同窓会」が開催された。
午前9時、シンポジウム「医学の未来」があった。「脳の画像診断の進歩により、アルツハイマー病発症前に、アルツハイマー病発症を予測することが可能になった」という。自分が近いうちにアルツハイマー病を発症すると知ることは、本当によいことなのか。怖い気がする。
午前11時15分、シンポジウム「健康と社会福祉におけるビッグデータ」があった。「中国では、バイドゥ1日50億件、ウォルマート1週間2億5000万件のデータが集まる」という。中国では、日本の何倍もの数のビッグデータで、健康と社会福祉のための解析が行われている。
午後3時、ホテルの西隣りにあるショッピングセンター「ifcモール
表示」に行った。途中の歩道橋には、昇りと下りのエスカレーターがあった。浦東金融街にある歩道橋のエスカレーターは、人が近づくと動き始め、日本の2倍近い速さで昇降する。
ifcモールの1~2階には、ルイヴィトン・カルティエ・シャネルなど世界のブランド店が揃い、まるでニューヨークにいるようだ。4階は飲食街となっており、高級日本料理店が多い。地下1階の一風堂のラーメンは1200~1800円で、映画館の前には"007スペクター"の看板があった。
地下2階のスーパーマーケットに行った。サーモンの握り8つで1600円、刺身盛り合わせは3000円していた。生魚は日本の3~5倍高い。大阪の黒門市場で、大勢の中国人が海鮮料理を食べているのもよくわかる。
上海蟹
表示も売っていた。上海蟹は淡水蟹で、産地の湖のタッグがついている。蟹の色は朱色ではなく灰色で、紐で縛って動けないようにしてある。3対1で雄が多く、一匹2500~4000円していた。雌は卵をたくさん抱える10月、雄は蟹ミソの詰まった11月が食べごろだ。橙色をした蟹ミソが、濃厚な味で旨い。
午後7時15分、ガラ・ディナーは踊り
表示から始まった。司会はCCTVテレビのドン・チン氏
表示とドラゴンテレビのスースー氏がされた。チン氏は女性アナウンサーで、2008年北京オリンピック・2010年上海万博の司会や、7億人以上観る「中国新年スペシャル」の司会を11年連続されている。
テーブル左隣りは、インドネシアの製薬会社2代目社長だった。私が「日本の大阪から来た」と言うと、「武田薬品とはパートナーで、東京や大阪にはよく行っている。大鵬薬品ともパートナーだ」と話された。その左隣りはインドネシアの夫妻で、奥さんはインドネシア大財閥の孫娘さんだった。名刺交換をし、握手をした。
メイン料理は、ビーフステーキ
表示だった。会場を一周してきた友人が、「前方のリザーブ席には、石油会社など中国の大富豪がいっぱいいる」と言う。午後9時50分、USC同窓会上海は幕を閉じた。
アルツハイマー病のような不治の病になることを知ると、その後の人生は不安な人生となる。何も知らない方が、よい場合もある。医学の進歩は、本当に人間を幸福にしているのだろうか。