大阪北新地の韓国カニ料理と「昆布の話」
2016年2月14日バレンタインデー、大阪市北区北新地にある韓国料理「プロカンジャンケジャン」に行った。
午前11時自宅を出発、国道171号線で箕面市牧落にある和菓子処「かむろ本店」に行った。いちご大福と生チョコ大福を買い、新御堂筋を南下して、北新地に行った。途中、幸せが訪れるよう「北新地ビリケン
表示」の足裏をなでた。
韓国で32年の伝統を持つケジャン専門店「プロカンジャンケジャン」で、ランチ
表示を食べた。カンジャンケジャンは、韓国の西海(黄海)で獲れた新鮮な生の雌のワタリガニを、醤油ダレに4日間漬けて熟成された料理で、オレンジ色の未成熟卵と黄色い蟹ミソが色鮮やかだ。蟹を食べた後の甲羅に、ご飯を入れて食べると食がすすむ。
ランチには、白菜キムチ・ちぢみ・小魚に昆布も付いていた。韓国でも昆布が採れるのか?
昆布に興味を持ったのは、日本三大祭りの一つ"天神祭"で、大阪大学奉拝船に乗った時(メタボ教室第300段「天神祭大阪大学奉拝船」)からだ。100艘しかない船の一つに昆布船があったが、前方5分の1だけで、後方5分の4は柔道整復師船に変わっていた。昆布は江戸時代、大坂の大きな商いだったのだろう。天神祭奉拝船は、時代を表す。大阪大学奉拝船は、今では独法化に伴う財政難で跡形もなくなってしまった。
14世紀、北海道から日本海を通って若狭湾小浜、琵琶湖から京都へと「昆布の道」ができ、西日本で昆布食文化が発達している。17世紀、昆布は北海道から下関を回って、大坂へ直送されるようになった。
富山で学会があった時「北前船は昆布を、北海道から北陸・下関を通って大坂に運んだ。日本海側は江戸幕府による監視が強いため、薩摩藩は太平洋側を大きく回り、沖縄から中国に昆布を密輸し、莫大な富を得た。昆布の採れない沖縄が中継地となり、沖縄は昆布消費量日本一になった」と聞いた。
昨年、下関で日本糖尿病学会(メタボ教室第562段「下関の食」)があった時、海峡ゆめタワーに展示があり、「長州藩は昆布の商いで富を蓄えた」と書いてあった。薩摩藩、長州藩ともに昆布で得た莫大な富で、明治維新を成し遂げることができたのかもしれない。
沖縄県宮古島市の肥満を調査した時、宮古島市の収縮期血圧140㎜Hg以上の高血圧の頻度は、男性28%で沖縄県21%や全国21%に比べ高かった。女性も宮古島市21%と沖縄県17%、全国17%に比べ高かった。
2014年の沖縄県の昆布消費量は64.7%/人で、全国平均の60.5g/人に比べ多いが、宮古島の麺類は、塩と肉だけで味付けをしていた。石垣島で診療していた医師も「石垣島の食は塩分が多い」と言う。
私は「宮古島に高血圧が多いのは、昆布を使わず、塩で味付けをしているからかもしれない。宮古島で昆布を使わないのは、薩摩藩から沖縄本島を通って中国へとつづくルートから、宮古島が外れていたためではないか」と推察した。
高血圧の大きな要因である塩分を減らすには、昆布を使うとよい。