3年A組クラス会と無医地区・専門医制度
2016年6月19日、広島市
表示にある"ホテルセンチュリー21広島"で、「庄原格致高校昭和43年卒3年A組クラス会」があり、15名出席した。
午前11時、3年A組クラス会は記念撮影で始まった。2か月前、担任だった物理の先生(写真
表示左端中段)が亡くなられた。高校3年の時、突然亡くなられたシャイな英語の先生の50周忌も行った。クラスメートの大部分はリタイアしている。働いているのは、私と看護師ぐらいだ。広島市へは、庄原市より大阪から行く方が時間的には速い。
東京からUターンして庄原市で暮らしている友人は「筋トレ・グランドゴルフ・都都逸・端唄・三味線・コンプライアンス検定・楽笑座友の会などで忙しく、好きなゴルフもできない」と言い、名刺には"大学評議員・庄原民謡敦盛さん保存会事務局・こどもミュージカル実行委員・放課後教室指導員"の肩書があった。
午後3時からホテルのカフェで、庄原市の無医地区で診療されていた医師と、2時間40分話をした。「救急患者は基幹病院の庄原日赤病院に送り、1人で1700人の地域住民の内科・小児科・外科・整形外科・皮膚科など全ての科を診ていた」と言われる。県北では、1人で3000人の住民を診ておられる高齢の開業医の方もいる。
無医地区は「医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、概ね半径4kmの区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区」をいう。
2014年10月末現在、無医地区は全国に637地区残っている。北海道が1番多く89地区、2位は広島県で54地区、3位は高知県と大分県で38地区、5位は岡山県で23地区となっている。大都市圏の東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府などの無医地区はゼロだ。広島県の無医地区は、庄原市23・三次市12・神石高原町6・・で、全て県北部となっている。
広島県に無医地区が多いのは何故か?「広島県には広島大学しか医学部がない。広島県内の医師は広島市内に集中し、過剰になっている」と言われる。人口1351万人の東京都には12の大学があり、1校当たり113万人受け持てばいい。広島県は人口284万人で284万人を広大が担当する。東京と広島では2.51倍の格差がある。
庄原市の無医地区を無くすにはどうすればよいか?「1500人以上住民がいる無医地区には、県と市がお金を出し合って診療所を作り常勤医を置く。それ以下の人数の地区は、数人の医師がチームを組んで週何回か巡回診療すればよい。若い医師の中には、過疎地の医療に熱意を持っている医師も多いが、専門医の資格が取れるか不安がっている」と言われた。
2017年から始まる専門医制度は、このままでは過疎地医療を崩壊させる可能性がある。都市集中を加速させ、地方創生に逆行する。過疎地の拠点病院でも資格が取れるよう優遇する配慮が必要だ。
全国に無医地区はまだ、637地区残されている。過疎地医療対策や専門医制度の委員会には、大都市の委員だけでなく、無医地区を肌身で感じている北海道・広島・岡山・高知・大分の委員を入れるとよい。