エキスポ大観覧車と観光立国・地域活性化
2016年7月6日、大阪万博跡地にあるエキスポシティに行き、大観覧車に乗った。
午後5時40分、観覧車乗り場に着くと、待ち時間10分となっていた。7月1日にできたばかりの大観覧車「レッドホース オオサカホイール」は、高さ123mと日本一高く、世界では5番目に高い。日本人カップルと中国人カップルが大部分で、家族連れは少なく、団体客はいない。ゴンドラは6人乗りだが、1台に1組が乗り、私の前後のゴンドラ
表示は若いカップルだった。18分間、2人きりの空間でゆったり時を過ごすことができる。
ゴンドラの下はシースルーで、クーラーが効いて涼しい。北
表示には太陽の塔
表示・万博公園、その向こうに大阪大学附属病院が見える。阪大病院の隣にある研究棟7階の第2内科講師室にいた。南
表示は遠く、梅田の高層ビル街、その左にアベノハルカスが見える。東
表示はガンバ大阪のサッカー場があり、北からモノレールが走って来る。
エキスポシティには中国人個人客が多く、アナウンスも中国語など外国語が流れていた。2015年の訪日外国人は、中国27%・台湾17%・韓国11%・香港8%・米国6%で、中国人が多い。
5~6年前、財務省OBの友人が「大阪の観光は、中国や韓国の富裕層を取り込めばいい。東アジアの人は、東京より大阪の方に親近感を持っている。それに大阪の方が近い」と言っていたが、見事的中した。ギリシャ危機を、日本のメディアが報道し始める1年前から指摘するなど、財務省OBの予想はよく当たる。
関西財界の友人は「今年になって、中国人観光客の潮目が変わってきた。リピーターが増え、団体ツアーの爆買いが減り、個人旅行が増えている。これからの外国人観光は、欧州のような1か所での長期滞在型になる。関西はホテル不足になっているが、ホテルを大阪に集中させ、京都・奈良・神戸には日帰りで、熊野古道など和歌山県には1泊で行く。大阪のホテルで得た収入は、関西6県で分配すればいい」と言う。
先月、クラブ関西で、JR西日本の佐々木隆之会長による「せとうちのブランド化について」の講演があった。
佐々木会長は「2010年6月、国の成長戦略の一つとして"観光立国・地域活性化"が打ち出された。旅行消費は、地域に23.6兆円の経済波及効果、関連産業を含めると419万人の雇用誘発効果、4.3兆円の税収効果を持つ。
訪日旅行者の目的は、ショッピングから日本の食・自然・歴史に移ってきている。瀬戸内は、食べ物が美味しい。エーゲ海の島は1つの島しか見えないのに対し、瀬戸内海の島は重なりがあり景色がより美しい。外国人の人気観光スポットランキング2016では、1位 伏見稲荷大社、2位 広島平和記念資料館、3位 厳島神社(宮島)だった」と話された。
広島県の2015年訪日外国人は、米国15%・EU 13%・オーストラリア10%・台湾8%・中国8%で、欧米人が多い。
観光立国日本。訪日外国人の目的は、爆買いから日本の食・自然・歴史・文化に移ってきている。関西圏、瀬戸内圏など、地域でまとまって観光産業を伸ばし、地域の経済を活性化させ、雇用を創出させるとよい。