京都嵐山祇王寺の苔と日本の医療費
2016年10月2日、京都市嵐山にある祇王寺へ、苔を観に行った。
午前10時30分伊丹を出発、中国道・名神高速・京都縦貫道を通り、11時30分嵐山に着いた。渡月橋辺りから観光客の群れがつづく。人力車も多く、15台は抜いて行った。だんだん人波が少なくなり、離合が難しい細い道を上って行くと、竹林と楓で囲まれた「祇王寺
表示」に着いた。
祇王寺は真言宗大覚寺派の寺院で、"平家物語"にも登場している。平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が、清盛の仏御前への心変わりで都を追われるように去り、母(刀自)と妹(祇女)とともに出家し、入寺した悲恋の尼寺として知られている。
祇王寺は、庭一面にある苔
表示が凄い。湿り気があり、苔を見るにはちょうどいい。苔むした庭の空気を吸うと、心が洗われたような気がする。庭には、双葉葵
表示があった。徳川家の葵の紋は、フタバアオイの葉3枚を合わせてできている。楓の木が多い。紅葉の季節は、混みそうだ。
草庵
表示に入ると仏間の仏壇には、右から仏御前、母刀自、本尊大日如来、平清盛、祇王、祇女の木造が安置されていた。控えの間には、大きな円形をした"吉野窓"がある。影が虹の色に見えることから"虹の窓"とも称されている。
"祇王の道"を下ると、絶滅危惧種に指定されている"藤袴
表示"の花が、見頃になっていた。幸せを招く「竹みくじ」を引いた。
午後12時50分、五台山清凉寺(嵯峨釈迦堂)に行った。清凉寺は浄土宗で、仁王門
表示は京都を舞台にしたテレビドラマによく出てくる。仁王門の横にある人気店「嵯峨豆腐 森嘉」には、行列ができていた。
仁王門から入って左に行くと、法然上人像、聖徳太子殿、あぶり餅の老舗「嵯峨嵐山総本家大文字屋」があった。あぶり餅
表示は、餅に白味噌をかけたもので、なかなか美味しい。平安時代飢饉の時からつづいており、あぶり餅を食べると、1年間無病息災になると伝えられている。
本堂(釈迦堂)の裏には庭
表示があり、一部は紅葉しかけていた。その奥には、小堀遠州作の枯山水庭園があった。
霊宝館秋季特別公開が10月1日から始まり、館内には国宝「阿弥陀三尊」が安置されていた。阿弥陀三尊の中央像は、"源氏物語"に出てくる光源氏のモデル「嵯峨天皇の皇子源融公」、左は光源氏の父、右は光源氏の母の像と目されている。
経堂の輪蔵
表示には"取っ手"が付いており「一周回すと5408あるお経を読んだのと、同じ功徳がある」と書いてあった。天気もよくなり31.5℃と暑く、汗が出てきて、いい運動になった。
2015年度の日本の医療費は41.5兆円と、高度医療と高額な新薬の登場によって急激に増え、前年度に比べ3.8%増加した。日本のGDPに対する医療費は11.2%と、OECD諸国平均の8.1%に比べ高く、35カ国中3位になっている。
苔の寺「祇王寺」は静寂さを保ち、京都観光の穴場だった。日本の医療費は、急増している。健康寿命を延ばし認知症を防ぐためには、自然と親しみ、好奇心を持ち、太陽を浴びながら歩くといい。