京都嵐山祇王寺の苔と日本の医療費

2016年10月 3日

   2016102日、京都市嵐山にある祇王寺へ、苔を観に行った。

午前1030分伊丹を出発、中国道・名神高速・京都縦貫道を通り、1130分嵐山に着いた。渡月橋辺りから観光客の群れがつづく。人力車も多く、15台は抜いて行った。だんだん人波が少なくなり、離合が難しい細い道を上って行くと、竹林と楓で囲まれた「祇王寺 表示」に着いた。

祇王寺は真言宗大覚寺派の寺院で、"平家物語"にも登場している。平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が、清盛の仏御前への心変わりで都を追われるように去り、母(刀自)と妹(祇女)とともに出家し、入寺した悲恋の尼寺として知られている。

祇王寺は、庭一面にある苔 表示が凄い。湿り気があり、苔を見るにはちょうどいい。苔むした庭の空気を吸うと、心が洗われたような気がする。庭には、双葉葵 表示があった。徳川家の葵の紋は、フタバアオイの葉3枚を合わせてできている。楓の木が多い。紅葉の季節は、混みそうだ。

草庵 表示に入ると仏間の仏壇には、右から仏御前、母刀自、本尊大日如来、平清盛、祇王、祇女の木造が安置されていた。控えの間には、大きな円形をした"吉野窓"がある。影が虹の色に見えることから"虹の窓"とも称されている。

"祇王の道"を下ると、絶滅危惧種に指定されている"藤袴 表示"の花が、見頃になっていた。幸せを招く「竹みくじ」を引いた。

 

午後1250分、五台山清凉寺(嵯峨釈迦堂)に行った。清凉寺は浄土宗で、仁王門 表示は京都を舞台にしたテレビドラマによく出てくる。仁王門の横にある人気店「嵯峨豆腐 森嘉」には、行列ができていた。

仁王門から入って左に行くと、法然上人像、聖徳太子殿、あぶり餅の老舗「嵯峨嵐山総本家大文字屋」があった。あぶり餅 表示は、餅に白味噌をかけたもので、なかなか美味しい。平安時代飢饉の時からつづいており、あぶり餅を食べると、1年間無病息災になると伝えられている。

本堂(釈迦堂)の裏には庭 表示があり、一部は紅葉しかけていた。その奥には、小堀遠州作の枯山水庭園があった。

霊宝館秋季特別公開が101日から始まり、館内には国宝「阿弥陀三尊」が安置されていた。阿弥陀三尊の中央像は、"源氏物語"に出てくる光源氏のモデル「嵯峨天皇の皇子源融公」、左は光源氏の父、右は光源氏の母の像と目されている。

経堂の輪蔵 表示には"取っ手"が付いており「一周回すと5408あるお経を読んだのと、同じ功徳がある」と書いてあった。天気もよくなり31.5℃と暑く、汗が出てきて、いい運動になった。

2015年度の日本の医療費は41.5兆円と、高度医療と高額な新薬の登場によって急激に増え、前年度に比べ3.8%増加した。日本のGDPに対する医療費は11.2%と、OECD諸国平均の8.1%に比べ高く、35カ国中3位になっている。

苔の寺「祇王寺」は静寂さを保ち、京都観光の穴場だった。日本の医療費は、急増している。健康寿命を延ばし認知症を防ぐためには、自然と親しみ、好奇心を持ち、太陽を浴びながら歩くといい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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