関西師友会と「古事記に学ぶ大和ごころ」
2017年2月25日、大阪市天王寺区上六にあるシェラトン都ホテル大阪で「安岡正篤先生生誕120年:関西師友協会創立60周年記念大会」が開催され、1000名が参加した。
師友会は初めてで、庄原格致高校の後輩に誘われ出席した。師友会は安岡正篤(メタボ教室第283段「リーダーシップ」)が創立した会で、師友の名は吉田松陰の"徳を成し材を達するには、師の恩・友の益多きにいる"による。安岡正篤(まさひろ)の思想の根底には、陽明学の"知行合一"と"格物致知"がある。
午後1時30分、式典は幼稚園児33名による論語素読で始まった。「・・。子曰く、朋あり遠方より来る、また楽しからずや。・・」。園児はみな、暗唱していた。すぐ後ろで、「子供の頃はわからないだろうが、大人になれば思い出すだろう」と言う声が聞こえてきた。私が子供のころ、添い寝していた父は「義を見てせざるは、勇なきなり」など、論語を解説してくれていた。
午後2時30分、作家の竹田恒泰先生による講演「古事記に学ぶ大和ごころ」があった。竹田恒泰氏は「戦後、古事記・日本書紀などの神話は、邪悪なものとして、戦勝国によって抹殺された。古事記は、キリスト教では聖書、イスラム教ではコーランにあたる。日本人に誇りを持たせないように、教科書に載っていた天皇や偉人の話は黒塗りされた。
初代神武天皇は、"和を以って貴しと為す"の大和ごころで、30あった国を戦争なしで統一された。歴代の天皇は、人民のための政治を行った。教育勅語の最初に出てくるのは親孝行だ。親孝行をしないと、祖先も敬わないし、神である大自然にも畏敬の念を持たなくなる。
戦勝国によって作られた歴史教育が、72年間守りつづけられている。ゆとり教育でもわかるように、教育は始めてから結果が出るまで30年かかる。日本人が誇りを持つことができる教育を早くしなくてはならない」と話された。
午後4時30分から祝賀会があり、司会は元タカラジェンヌがされた。師友会の方が「安岡正篤先生は、平成という元号を考案されたことで有名だ。安岡先生は吉田茂・岸信介・佐藤栄作など歴代総理の指南役だった。安岡先生は大阪出身で、関西では松下幸之助・堀田庄三・佐伯勇・稲盛和夫など経済人が安岡先生に私淑し財界をリードした」と挨拶された。
1テーブル10人34テーブルあり、左隣りは大学名誉教授、その隣は建設業の方だった。右隣りは電話会社の人で、その隣はプロ野球元選手だった。ビール・白ワイン・赤ワインを飲みながら話をした。
プロ野球元選手に「私は"大谷翔平は筋肉の付け過ぎだ。いつか怪我をする"と1年前から言ってきた。ダルビッシュも田中将大も筋肉の付け過ぎではないのか」と聞くと、「大リーグでは、バーベルなど筋トレで筋肉を付けるのが主流だ。筋肉を付けると、負荷がかかる体の部位が変わるが、それに合わせたフォームや走り方が、筋肉の増える速度に追い付かなかったのだろう」と答えられた。
陽明学者の安岡正篤は、師友会を作り、政官財界に多くの人材を育てられた。戦前の教育は悪いものばかりではない。日本人の神話である古事記・日本書紀や、教育勅語のいい面も教育に取り入れるとよい。