大阪国際がんセンター完成式・内覧会と患者に寄り添う医療
2017年3月4日、大阪城の西側に新築された「大阪国際がんセンター」で、完成式と内覧会があり、150名が列席した。
午前9時30分、大阪府庁の南側にある大阪国際がんセンターに着いた。式典会場は横15列、縦10列あり、前から4列目、右から5列目に座った。会場では、阪大2内の後輩の飯石浩康成人病センター副院長、花房俊昭市立堺病院長、今井康陽市立池田病院長らの姿が見えた。
大阪国際がんセンターは、老朽化した大阪府立成人病センターを建て替え、名称を変更したものだ。成人病センターは、がんや循環器疾患など成人病(現在は生活習慣病と呼ばれている)が増え、昭和34年に創立された。
成人病センターでの、いろいろな出来事がよみがえってくる。親戚や友人が、がんで入院した時は、何度かお見舞いに行った。私が阪大2内循環器脂質研究室(30人)のチーフをしていた時は、心臓カテーテル検査ができる医師を育てるため、成人病センターにお願いに行き、市立豊中病院・市立泉佐野病院とともに、成人病センターは阪大2内の心カテ養成の3大拠点病院となった。
午前9時45分、日本センチュリー交響楽団と関西フィルハーモニー管弦楽団による合同演奏があり、"道頓堀協奏曲"など演奏された。後方には、テレビ局が6つ、新聞社など20数人来ていた。
午前10時、松井一郎大阪府知事が右手から入場されると、一斉に報道陣のカメラのシャッター音が聞こえてきた。松井知事は「大阪府立成人病センターは、西日本最大規模のがん治療専門病院となり、3月25日にオープンする。日本のがん治療の牽引役として力を発揮してほしい」と挨拶された。
左近賢人成人病センター院長は、「地上13階、地下2階建てで、病床数は500床だ。院内にはバイオマーカーの研究所、がん細胞バンクがあり、隣接して重粒子線がん治療施設ができる。患者サービスも国際レベルにする。がんは不治の病から治る病気になってきており、メンタルリハビリ、身体リハビリ、栄養リハビリも行う」と概要を説明された。
松井知事ら7人によるテープカットがあり、最後に、清水健元テレビアナウンサーの講演があった。清水氏は「2年前、妻ががんで亡くなった。がん患者は、不安で、怖くてたまらない。病を治すのが1番だが、同時に患者に寄り添う医療を願っている」と話された。
午前11時から1時間、内覧会があった。院内の表示は、日本語・英語・中国語・韓国語で書かれている。2階は外来の診察室
表示を見学、"がん化学療法室"は34床あった。3階は高度な診断機器が揃えてあった。
13階の病棟に行くと、正面に大阪城
表示が見える。X型になった病棟の中央にナースステーションあり、北Nは"なでしこ病棟"、南Sは"さくら病棟"と名付けられていた。4人部屋
表示は広く、浴室も
表示ゆったりしている。4階には12の手術室と、ICU
表示が10床あった。
大阪府立成人病センターが老朽化したため、大阪城前に最新の設備を持つ「大阪国際がんセンター」が新築された。最先端のがん治療を行うとともに、患者のQOLを高め、患者に寄り添う医療が求められている。