「デジタル時代のマーケティング」と社会貢献
2017年6月15日、大阪市北区にあるクラブ関西で、異業種の会があった。
午後6時、キリン執行役員の坪井純子ブランド戦略部長による講演「デジタル時代のマーケティングを模索する~キリンのCSV経営」があった。坪井氏は、横浜赤レンガの社長もされていた。
坪井氏は「会社は世の中に何故存在するか。社会的意義のない会社はつづかない。キリンは、CSV経営(Creating Shared Value:企業が社会と共有できる価値の創造)をコンセプトにしている。"純粋な利益を追求する経済的価値"と"社会貢献をする社会的価値の創造"の両立を目指している。
デジタル時代になり、マーケティングが劇的に変わった。テレビや新聞の広告から、ツイッター・ブログ・Uチューブで商品を知り買うようになった。20世紀は企業主語のマーケティングだったが、21世紀はお客様主語のマーケティングになっている。企業が商品の価値を決める時代から、お客様との対話を通じて価値を見出し、創造し分かち合う時代になった。
キリンは、利益に直接つながらないサッカーの応援を40年間つづけてきた。香川真司選手の半生を描いたコマーシャルも、テレビでは1回しか放送しなかったが、Uチューブでは100万回再生され反響が大きかった」と話された。
午後7時から懇親会があった。前菜の"ブイヤベースのテリーヌ サフラン風味のヴィネーグレット"、ムール貝のクリームスープ、白金豚フィレ肉の食通風、ココナッツのアイスクリームが美味しい。加計学園問題・国際医療福祉大学問題が話題になった。
「獣医は足りているのか?」と聞かれ、「3Kの牛・馬など家畜の獣医は不足しているが、日本の獣医は足りていて、獣医師の資格を持った人の1~2割は他の仕事についている。犬・猫のペットの獣医は余っている。愛媛県今治市に獣医学部を作ることは、地方活性化の面からは意義がある」と答えた。
私はつづけて「医師の間では、加計学園より国際医療福祉大学の医学部新設問題の方が、はるかに大きな関心を集めている。厚労省や日本医師会が大反対していたのに、いつの間にか急に決まっていた。特に、医師過剰の東京の勤務医は、危機感を持っている。市場原理で給料は安くなる。森友学園
表示問題を平幕とすれば、加計学園問題は大関で、国際医療福祉大学問題は横綱だ。
国際医療福祉大学医学部の定員は140名で、外国人留学生枠は20名と少なく、12%しかない。戦前の東洋女子歯科医専でも定員110名のうち、外国人留学生は30名で30%近くあった(メタボ教室第631段「東洋女子歯科医専と外国人留学生」)。国際戦略特区を大義名分とするなら、外国人留学生を30%にはするべきだ。医師の地域偏在は、益々進んでいる。せっかく岩盤規制に穴を開けるなら、新設医学部は医師不足の北海道など、地方にした方がよかった」と話した。
デジタル時代になり、テレビや新聞からツイッター・ブログ・Uチューブで商品を知り、価値を決めるようになった。企業・学校は利益のみを追求するだけでなく、社会貢献も同時に行うこと(CSV)が必要だ。