USC同窓会東京と失明者への贈り物・日米安全保障
2017年9月21~23日、東京六本木にあるグランドハイアット東京で、「南カリフォルニア大学(USC)同窓会東京」が開催された。
9月22日午後3時45分、ヴァルマーUSC眼科教授による「失明者への贈り物」の講演があった。USC眼科は、加齢黄斑変性の研究が有名で、日本・アジア・ヨーロッパから多くの留学生が集まっている。
ヴァルマー教授
表示は「米国は網膜疾患で失明する人が多い。2016年、世界に先駆けた新しい技術で、網膜疾患による失明者の視力回復に成功した。眼球の横を小さく切開し、エアと一緒にステムセル(幹細胞)から作った人工網膜のシートを入れる。エアは軽く浮く力を利用し、人工網膜シートを損傷した網膜に貼り付ける。ぼんやりとした輪郭しかわからないが、見えるようになる。現在、100名以上の網膜疾患による失明者に手術し、視力のプレゼントを贈ることができた
表示」と話された。講演後、スタンディングオベーションが起こった。
9月23日午前8時30分、ホテルのグランドボールルーム前で、コンチネンタル・ブレックファーストがあった。立食形式で、多くの人と話をした。
秋田県の公立大学名誉教授は「私の大学の就職率は100%で、競争率は18倍と高くなっている。大学の周囲は公園で囲まれ、学生は勉学に打ち込んでいる」と言われる。私の故郷、広島県庄原市にある県立広島大学も自然の環境に恵まれ、開学時の競争率は36倍と日本一高かった。
ヘルスケア会社の社長は「IoT(インターネット)を用いて健康促進を目的としたプロダクトを提供している。東北大学工学部を卒業したが、経営も必要なのでUSC経営学部に行った」、食品リサイクル会社の社長は「大手スーパーや大手コーヒーチェーンと契約し、食品のリサイクルをしている」と言われる。USC出身者はベンチャー企業の社長や大学教授が多い。
中国河北省のソーラーパネル会社の人は「日本のソーラーパネルは高額すぎて、中国の企業に太刀打ちできない」と言われた。世界のソーラーパネルの60%は、中国製となっている。他にも、ソウルの大学経済学部教授、台湾の投資会社会長とも名刺交換をした。こうした会合に出ると、世の中にいろいろな世界があることがわかり面白い。
午前9時、グランドボールルームで、USC法学部教授と岡本行夫氏
表示による対談「日本と米国の安全保障」が1時間あった。USC教授は「岡本氏
表示は、橋本龍太郎首相と小泉純一郎首相のアドバイザーをされていた」と紹介された。
サダムフセイン・IS・金正恩・トランプ・金日成・マッカーサーから南シナ海・TPPまで幅広い内容だったが、北朝鮮の核・ミサイル問題が大半を占めた。北朝鮮は予測不能だ。フロアからは「ロシアについて」と、「CIAについて」の質問があった。
科学は著しい速さで進み、再生医療で網膜疾患による失明を治すことができる時代になった。一方、科学の進歩による核・ミサイルは、人類に大きな危機を与えている。善の心がコントロールする科学でありたい。