USC同窓会東京とゲーム・AI・映画の未来
2017年9月21~23日、東京六本木ヒルズにあるグランドハイアット東京で、「USC(南カリフォルニア大学)同窓会東京」が開催された。
9月22日午前9時、ニキアスUSC理事長 表示による"歓迎の挨拶"があった。ニキアス理事長は「USCは国のリーダー82名を出している。日本は2名で、三木武夫首相と安倍晋三首相だ。2028年のオリンピックはロサンゼルスに決まった。USCは1500個のオリンピックメダルを獲得している(大きな拍手)」と挨拶された。
午前9時30分、USC映画芸術学部長と平井一夫ソニー社長との対談
表示が1時間あった。USC学部長は「平井社長とは6年間親しくしている。ジョージ・ルーカス(USC卒業生でスターウォーズシリーズ製作者)が"ビデオカメラはソニーが一番いい"と言ったので、授業にソニーの機材を使わせてもらっている」と紹介された。
平井一夫ソニー社長
表示は「ソニーはKANDO感動の会社だ。ミュージック、ゲーム、カメラ、創造に最も重要なのは感動だ。・・これからゲームなど、AI(人工知能)を活用しようと考えている」と流暢な英語で話された。
日本の医療分野も、AIを用いた試みが活発になっており、消化管内視鏡診断では、大腸や胃に生じた病変を見逃さない方法が開発されつつある。
午後0時から、ランチがあった。右隣りはインドの人で「安倍首相が、先週インドに来た。インドと日本はベストフレンドだ」と言われた。
午後1時50分から1時間、USC教授と佐藤直樹日活社長による「映画の未来」の対談があった。
佐藤直樹社長は「日活は1950年代、1960年代、若手監督・若手俳優を育成し、石原裕次郎・小林旭・吉永小百合など大スターを生んだ。その後低迷していたが、最近では八日目の蝉・デスノート・散歩する侵略者(松田龍平主演)など制作している。USCシネマ・アート学部へ見学に行ったが、ハリウッドの現役の監督が教えに来ていた。USCだけで映画教育は完結し、世界中から映画を志す人が集まっていた。
映画の定義が変わってきている。アマゾンは、北米・ドイツに発信専用プラットホームを作り、ネットでも見ることができる。ディズニーは配給を始めた。日活は広大な敷地に撮影所を持っているが、配給会社がない。配給すると利益が出るかも知れないが、私は映画が好きなので映画製作をしている。配給は、初期投資が必要でリスクもある。
日活が利益を出しているのは、日本ではなくインドネシアだ。インドネシアの監督、出演者を使いヒットしている。今、最も魅力的なマーケットは、東南アジアだ。国民1人当たりのGDPが高くなり、若い人が多い。日本は世界に出ていかないと生きていけない」と話された。
「中国はどうか?」との質問に「中国から訪ねてくる人が一番多いが、全て6000本ある日活映画のリメイクの申し出だ」と答えられた。
南カリフォルニア(USC)大学は、アメリカ西海岸で最も歴史のある大学で、アジアのリーダーを多く輩出している。ゲーム・映画の世界は、AI(人工知能)やアマゾンの出現によって変わろうとしている。