関西経済情勢とAI・IoT・インバウンド・医療用品
2017年12月14日、大阪市北区にあるウェスティンホテル大阪で、「異業種忘年会」があった。
午後6時、日本銀行大阪支店の福地慶太副支店長による講演「最近の金融経済情勢」があった。福地氏は、「日銀は、デフレ脱却・景気回復のため、他国中央銀行より大胆な金融緩和を行った。日本のマネタリーベースのGDP比率は80%と米国の30%、ユーロ圏の20%に比べ多くなっている。
2017年10月の1500社のアンケート調査で、日本経済・関西経済はバブル期1991年以来、26年ぶりの景況感になっている。近畿の景気は、2017年7月の"緩やかな拡大基調にある"から、10月"緩やかに拡大している"になった。
昨年来、日本の輸出・生産が大きく伸びた。関西の生産の伸びは、AI(人工知能)・IoT・半導体・電池・スマートフォン関連・設備投資関連で、全国より強めになっている。日本の失業率は2.8%と、歴史的な低さとなった。関西企業の人手不足感は、一段と強まっており、中小企業・非製造業ほど強い。
関西といえばインバウンドで、外国人観光客の消費が勢いを増している。百貨店の外国人向け売上高は、2016年末から再び勢いづいており、特に関西の勢いはすごい。2017年9月の百貨店免税売上は、前年比2.3倍と既往ピークを更新した」と話された。
大阪・京都のJR・市バス・観光地は外国人観光客であふれかえっている。JR駅前のタクシー乗り場も、昨年まではタクシーが並んでいたが、今年は人が並んでいることが多い。高級回転ずし店の待ち時間も、長くなった。
午後7時からの懇親会は、1テーブル8人ずつだった。左隣りのベンチャー企業専務と、前菜の"烏賊のカルパッチョとアンディーブのオレンジマリネ ジェノベーゼソース
表示"を食べながら話をした。
私が「AIとIoTで、世の中はどんどん進んでいる。自動車もAIで、自動運転が可能になった」と話すと、ベンチャー専務は「AIで、10年後の世界は全く違ったものになっているだろう。AIを使った住宅を、住宅メーカーと共同で作っている。高熱などで倒れたら、AIが熱と動きを感知して助けるような住宅を開発している」と言われた。
私が「AIのディープラーニングで、放射線読影医や病理医不足が解消される。医療に関係する開発もされているか?」聞くと、ベンチャー専務は「インフルエンザや花粉症予防のカードを、電力会社と共同で開発している。カードを首からぶら下げると、光触媒で有機物を分解する物質が顔の前に漂い、インフルエンザウイルスや花粉を分解することができる」と答えられた。
福地慶太氏と名刺交換をした。「高校(庄原格致高校)のクラスメートの田辺敏憲君は、日銀大阪支店にいた。日銀ニューヨーク支店にいた時は、田辺君の家に泊りに行った」と話すと、「田辺さんは、大先輩だ。長崎県知事選にも出られた」と、田辺君のことをよく知っておられた。人と人とは、どこかでつながっている。
2017年の関西経済は、生産・輸出・インバウンドが伸び、バブル期以来26年ぶりの好景気になった。この1年の生産の伸びは、AI・IoT・電池・スマートフォン関連が牽引し、失業率は過去最低の2.8%となっている。