夜間勤務と乳がん

2018年2月 3日

    201812627日、名古屋市にある愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で、「第46回日本総合健診医学会」が開催された。

126日午後630分から、懇親会があった。ひつまぶし・味噌カツ・エビフライ・手羽先・きしめん・台湾ラーメンの屋台が並ぶ。赤ワインを飲みながら、増田大作阪大特任助教(阪大2内循環器脂質研の25年後輩)と話をした。

私が「2か月前、NHK"ガッテン!"に出演しているのを見た。"レムナントコレステロールは、動脈硬化の新常識だ"としていたが、40年前からレムナントは注目されていた。私の学位論文もミッドバンド(レムナント)だ」と話すと、「講演に行くと、脂質の専門家からよく指摘されます。一般の人には、まだ浸透していないのであのような番組になった」とのことだった。

NHK"ためしてガッテン"は、NHKのスタッフが飛行機で大阪へ来て、内臓脂肪の話を2度プランを立てたことがある。"動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017"の診断基準には、新たにnon-HDLコレステロール(総コレステロール-HDLコレステロール)が加わった。レムナントは、non-HDLコレステロールに含まれる。

増田大作特任助教は「今、アポB48(小腸由来の蛋白質で、レムナントと関係している)の研究をしている」と言う。私は「アポB48は、日本医師会の松原謙二副会長が研究していた 表示」と話した。松原謙二日医副会長は、阪大2内循環器脂質研の8年後輩になる。懇親会では、クラシック演奏 表示もあった。

名古屋マリオットアソシアホテル 表示3827号室に宿泊した。窓 表示から、名古屋駅前の高層ビル街が見える。部屋の照明・温度調整・目覚ましは、タッチパネルになっていた。

127日午後030分、難波清北斗病院乳腺外科顧問によるランチョンセミナー「個別化乳がん検診」があった。難波医師は「乳腺エコー装置は自動、3次元、冠状断と進化している。35年後、ビッグデータやAIで、微小乳がんも見つかるようになる」と話された。ランチョン弁当 表示には、エビフライが入っていた。前日の昼は、天むす弁当 表示だった。

午後120分、労働安全衛生総合研究所の高橋正也氏による講演「職場における睡眠問題とその対応」があった。

高橋氏は「24時間社会になり、交代勤務が増加し、17.9%の人が夜勤をしている。夜間はメラトニンが上昇し、体温が下がる。夜勤をするとメラトニンが下がり、ホルモンの乱れが生じる。夜勤勤務者では、ホルモン系の乳がんや前立腺がんになりやすくなる。

夜勤をすると、心臓病・高血圧は10年後、血糖異常・脂質異常は20年後、がんは2040年後に発症する。乳がんは30年後に発症し、欧米7万人の調査で、夜勤勤務者の乳がん発症率は34倍になることが明らかになった。

デンマークでは、夜勤のあるキャビンアテンダントや看護師が乳がんになった場合、因果関係は認められなくても労災と認定し、国が一生生活を保障してくれる。北欧や米国でも、同じような動きがある」と話された。

乳がんには人種差があり、日本人は欧米人に比べ若く発症する。日本でも、夜勤をする看護師の大規模疫学調査をして、乳がん発症率が34倍あれば、労災認定されるようになるかもしれない。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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