夜間勤務と乳がん
2018年1月26~27日、名古屋市にある愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で、「第46回日本総合健診医学会」が開催された。
1月26日午後6時30分から、懇親会があった。ひつまぶし・味噌カツ・エビフライ・手羽先・きしめん・台湾ラーメンの屋台が並ぶ。赤ワインを飲みながら、増田大作阪大特任助教(阪大2内循環器脂質研の25年後輩)と話をした。
私が「2か月前、NHK"ガッテン!"に出演しているのを見た。"レムナントコレステロールは、動脈硬化の新常識だ"としていたが、40年前からレムナントは注目されていた。私の学位論文もミッドバンド(レムナント)だ」と話すと、「講演に行くと、脂質の専門家からよく指摘されます。一般の人には、まだ浸透していないのであのような番組になった」とのことだった。
NHK"ためしてガッテン"は、NHKのスタッフが飛行機で大阪へ来て、内臓脂肪の話を2度プランを立てたことがある。"動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017"の診断基準には、新たにnon-HDLコレステロール(総コレステロール-HDLコレステロール)が加わった。レムナントは、non-HDLコレステロールに含まれる。
増田大作特任助教は「今、アポB48(小腸由来の蛋白質で、レムナントと関係している)の研究をしている」と言う。私は「アポB48は、日本医師会の松原謙二副会長が研究していた 表示」と話した。松原謙二日医副会長は、阪大2内循環器脂質研の8年後輩になる。懇親会では、クラシック演奏 表示もあった。
名古屋マリオットアソシアホテル
表示3827号室に宿泊した。窓
表示から、名古屋駅前の高層ビル街が見える。部屋の照明・温度調整・目覚ましは、タッチパネルになっていた。
1月27日午後0時30分、難波清北斗病院乳腺外科顧問によるランチョンセミナー「個別化乳がん検診」があった。難波医師は「乳腺エコー装置は自動、3次元、冠状断と進化している。3~5年後、ビッグデータやAIで、微小乳がんも見つかるようになる」と話された。ランチョン弁当
表示には、エビフライが入っていた。前日の昼は、天むす弁当
表示だった。
午後1時20分、労働安全衛生総合研究所の高橋正也氏による講演「職場における睡眠問題とその対応」があった。
高橋氏は「24時間社会になり、交代勤務が増加し、17.9%の人が夜勤をしている。夜間はメラトニンが上昇し、体温が下がる。夜勤をするとメラトニンが下がり、ホルモンの乱れが生じる。夜勤勤務者では、ホルモン系の乳がんや前立腺がんになりやすくなる。
夜勤をすると、心臓病・高血圧は10年後、血糖異常・脂質異常は20年後、がんは20~40年後に発症する。乳がんは30年後に発症し、欧米7万人の調査で、夜勤勤務者の乳がん発症率は3~4倍になることが明らかになった。
デンマークでは、夜勤のあるキャビンアテンダントや看護師が乳がんになった場合、因果関係は認められなくても労災と認定し、国が一生生活を保障してくれる。北欧や米国でも、同じような動きがある」と話された。
乳がんには人種差があり、日本人は欧米人に比べ若く発症する。日本でも、夜勤をする看護師の大規模疫学調査をして、乳がん発症率が3~4倍あれば、労災認定されるようになるかもしれない。