現代アートと瀬戸内観光・直島・尾道
2018年10月18日、大阪市北区にあるクラブ関西で、異業種の会があった。
午後6時、中尾浩治テルモ元会長による特別講演「現代アートと広島」があった。テルモは体温計から始まった会社で、カテーテルや人工心肺装置では世界で高いシェアーを持ち、日本最大の医療機器メーカーとなっている。糖尿病領域では、世界一細いインスリン注射針を販売している。中尾氏は2016年までテルモ会長をされ、現在は"アートマネジメントしまなみCEO"をされている。
中尾浩治テルモ元会長は「日本は人口減で、生産力が低下している。これからの日本は、付加価値をつけた製品を作り、観光に力を入れるとよい。私は海外生活を15年間し、スウェーデンで現代アートに魅せられ、海外のアート市場を体感してきた。
現代アートは1917年、マルセル・デュシャンの作品"泉"によって始まり、デュシャンの作品は50~100億円になっている。印象派など洋画展を行列して観に行くのは、日本だけだ。欧米人は日本の洋画に興味を持っておらず、韓国でも中国でも売り上げの9割は現代アートになっている。印象派などの洋画の価格は、5分の1以下に下落している。
ニューヨークのオークションでは、本物の"運慶の仏像"が13億円で日本人によって落札されたが、ミニチュアのような現代アート
表示は800年前の運慶の仏像より高い16億円で落札された。私費で買った80万円の現代アートは、今500万円以上に値上がりしている。日本の美術の教科書は、数年前からようやく現代アートが載るようになった。
瀬戸内観光として、広島県は岡山県・香川県とともに瀬戸内アートプロジェクトを立ち上げている。香川県の直島は、ベネッセの福武さんが400億円かけて現代アートを収集し、外国人観光客が増えている。広島県は私が担当し、尾道市で総額10億円の現代アートを昨年58日間展示し、2万335人の観光客が訪れた」と講演された。
午後7時、懇親会があった。"茸のスープ パイ包み焼き
表示"が美味しい。魚料理は"イトヨリのポワレ 茄子のタルタルとマジョリカ風ピッツァ添え"、肉料理は"蝦夷鹿股肉のロースト ラルド風味
表示"だった。
中尾浩治テルモ元会長に、「阪大第2内科で、肥満の研究をしていた徳永です」と挨拶すると、「阪大の澤先生とは、共同研究をしている」と言われた。澤芳樹阪大心臓血管外科教授は、阪大医学部の6年後輩になる。
私が「5~6年前、テルモの方が2人、肥満の治療機器を持って来られ、1時間ぐらいアドバイスした。ビニールの筒のようなものを、胃から腸に入れて、腸の消化・吸収を抑制する医療機器だった。その後どうなったのか」聞くと、中尾氏は「思い出しました。その肥満治療機器は開発中止になった」と答えられた。
中尾氏は「私の父は尾道市にある離島の百島(ももしま)で、歯科医をしていた。その関係で、百島をアートの島にしようとしている」と言われた。「私の両親
表示も、広島県山間部の庄原市で歯科医をしていた。広島県歯科医師会で、会っていたかもしれませんね」と話をした。
欧米や韓国・中国では洋画ではなく、現代アートが主流となっている。香川県・岡山県・広島県の瀬戸内観光は、外国人観光客が好む「現代アート」を軸に進められている。