市立吹田市民病院内覧会と健康医療都市

2018年11月21日

    20181118日、大阪府吹田市で「市立吹田市民病院内覧会」があった。

新築移転する病院は、JR東海道線岸辺駅北側に隣接しており、121日に開院する。富永信彦病院長は阪大2内の6年後輩で、私のいる職場から多くの患者さんを紹介し、入院させてもらっている。 

午前945分、医療関係者の内覧会が始まった。1階の放射線室には、最新の320CTスキャン2台と、MRI2台入るという。救急室は表玄関とは反対の線路側から、すぐ入れるようになっており、救急病床は8床あった。救急は、内科2人・外科・小児科・産科の5人で行うという。

エレベーターで8階病棟に昇った。陰陽圧個室があり、感染症や白血病患者に使用するという。特室 表示にはトイレ・浴室・キッチン・大型テレビがあった。個室は全てトイレ付きで、シャワー付き部屋もある。東病棟と西病棟があり、西病棟の廊下からは線路沿いに平面駐車場・立体駐車場・公園 表示が見えた。時々、JR東海道線を電車や貨物列車が走っていく。

5階は小児・産科病棟で、プレイルームや屋上庭園があった。大阪万博跡地にできたエキスポシティにある大観覧車 表示が見える。4階は広いリハビリ室があった。3階にはICUが4床と手術室があり、ダヴィンチ 表示の前には人だかりができていた。前立腺癌などの手術を行なうため、ダヴィンチ手術ができる医師を招聘したという。

午前1030分から、1階講堂で「健都移転後の役割と地域連携」の内覧会セミナーがあった。戎井力副院長は「JR岸辺駅北側は来年、国立循環器病研究センター(国循)も移転して来て、北大阪健康医療都市(健都)となる。JR岸辺駅は、大阪から12分、京都から24分、神戸から34分と交通の便がいい。新病院は、29診療科、431床ある。職員は808名で、医師は120名、看護師は474名いる」と話された。

私が勤務していた13年前の市立伊丹病院は405床、職員は500名で、医師は72名、看護師は300名だった。医療の高度化で、病床当たりの職員の数が1.6倍に増えている。

エスカレーターで2階に行くと、外来診察室があった。X線やCTスキャンなどの画像を映すビューアー 表示が、各診察室に2台ずつあった。ビューアーは高いので、1台しか置いていない病院が多い。2台あった方が前回の画像と比較できるので、私のいる職場でも各診察室に2台置いている。

2階にはレストランがあり、そのまま進むと駅前複合施設「ビエラ岸辺健都」があった。2階は"健都クリニックモール"が、1階は減塩や健康に留意した弁当・惣菜を多く取り扱うスーパー、34階は駐車場、5階は近隣住民も参加できるフィットネスクラブ、69階は朝食だけで1日の半分の野菜が摂取できるホテルになっていた。

午前1145分、2階の国循認定かるしおメニューの"キッチンKENTO 表示"は20人近い行列になっていた。ビエラを過ぎると、来年7月開院する国循 表示の建物が、右手に岸辺駅につながる連絡橋が見えてきた。

市立吹田市民病院は、高度医療ができる体制になっていた。市立病院・国循・健康志向の高い駅前複合施設がうまく連携すれば、JR東海道線岸辺駅周辺は健都(健康医療都市)のモデルとして発展しそうだ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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