経営と笑いー好奇心・協調性・ユーモア

2019年9月22日

    2019919日、大阪市北区にある"クラブ関西"で異業種の会があった。

午後6時、NPO法人健康笑い塾 主宰 中井宏次氏による講演「経営と笑い~凄いから面白いへ~」があった。

中井氏は「皆さんは経営者と思うが、経営にとって最も重要な三大要素は、好奇心と協調性と笑いユーモアだ。戦後日本は、世界の商品の真似をし、凄いものをつくる技術力で発展してきたが、成長が止まった。商品にプラス笑い(ユーモア)を入れ面白い、買ってみたいという商品を作ることが必要だ。社員に「つくだに つまらない、くだらない、だめだめ、にげる)」を言い始めると、会社は成長しない。

左脳の文化から、右脳の風土へ、時代は変化している。左脳は仕事力で、言語・論理的思考・計算処理・判断力で"凄い"に関係している。右脳は人間力で、直感・造性・芸術・笑い(ユーモア)など"面白い"に関係している。製品開発・企画は創造力による。創造力は、左脳の想像力と右脳の笑いユーモアによって生まれるので、脳を鍛えるとよい。

脳を鍛えるには、平素から五感を使って、四季を感じる訓練をする。花の名前を覚えることより、花の美しさに感動できる心を育てる方が大切だ。会社では、おはようございます!こんにちは!の挨拶の笑い。有難う!お陰様で!の感謝の笑い。美しいなあ!美味しいなあ!嬉しいなあ!の感謝の笑い、を実行するとよい

日本で100歳以上の方が増えたが、ほとんどの方が寝たきりになったり、認知症になったりしている。世界一長寿で、122歳まで健康だったフランス人女性の長生きの秘訣は、"退屈しないこと"と"笑っていること"だった。日本人の平均年齢は、男性81.25歳、女性87.32歳と高齢化し、高齢者の4人に1人は認知症になる。笑いは、認知症を防ぎ、健康寿命を延ばす。

病気の原因の30%は働きすぎ、20%は食べ過ぎ、50%はストレスだ。ストレスを解消するには、笑うという行為が一番いい」と話された。

午後7時から、懇親会があった。前菜の"ヨコワのマリネ サラダ添え 表示"が、珍しくて美味しいなあ!と感動した。魚料理は"マナガツオのグリエ 茸のグレッグ添え"、肉料理は"国産牛テールのキャベツ包み ビーツ風味 表示"だった。

中井宏次氏と名刺交換をした。私が「大阪は、お笑い日本一だが、大阪府の健康寿命は短い。男性は下から4番目(70.45歳)、女性は下から2番目(73.17歳)となっている。何故か」と聞くと、中井氏は「お笑い笑いは全く違う。お笑いは、心の底から笑うユーモアではない。いじめっ子がお笑いの真似をして、いじめをしているのは、単に面白がっているだけで、笑いではない」と答えられた。

私は「阪大病院で、満腹中枢や摂食中枢など脳の研究をしていた。アインシュタインの脳は、前頭葉と脳梁(左脳と右脳をつなぐ)が発達していた。左脳と右脳が連携することが重要だということが、よくわかった」と話した。

肥満と肥満症(疾病としての肥満)が違うように、お笑い(単に面白ければいい)と笑い(心の底から感動して笑う)は全く違うものだ。日本の経営者にとって、好奇心・協調性とともに笑い(ユーモア)が必要だ。高齢者にとっても、好奇心を持って、笑って生きることは、健康寿命の延伸につながる。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

著作権について