関西の飛躍とインフラ整備
2019年10月17日、大阪市北区北新地にある"クラブ関西"で、異業種の会があった。
午後6時、井上智夫国土交通省近畿整備局長による「関西のさらなる飛躍とインフラ整備」の講演があった。
井上智夫氏は「関西はインフラ整備が遅れている。日本の交通渋滞のワースト5に、阪神高速神戸線・湾岸線・東大阪線の3つが入っている。近畿圏の高速道路もつながっていない。新名神高速道路が高槻JCTから大津JCTまでつながれば、大阪から名古屋への大動脈が二つになり、渋滞が解消される。
近畿自動車道紀勢線が完成すれば、大阪から新宮まで4時間かかっていたところが3時間に短縮される。山陰近畿自動車道が完成すれば、インバウンドで京都観光に来た外国人観光客が城崎温泉や山陰へ行くことができる。京奈和道(京都、奈良、和歌山を結ぶ)が完成すれば、京都から和歌山・白浜・熊野古道に行くことができる。
2025年大阪万博が、夢洲(ゆめしま)で開催される。夢洲へのインフラ整備が急がれている。1970年の大阪万博では、モノレールなどのインフラが整備され、現在も使われている。夢洲にIR(総合型リゾート)を誘致し、夢洲にできたインフラを大阪万博後も活用できるようにするとよい」と話された。
フロアから「京奈和道を、早く完成できないか」と要望があった。井上氏は「大和郡山と奈良との間が難航している。奈良には遺跡が多い。地下水脈が変化すると、長年水の中に浸かって保存されてきた木簡(もっかん)が乾き、破損する」と答えられた。
午後7時、懇親会があった。スープは"洋梨のヴィシソワーズ"で、魚料理の"帆立貝とアンディーブのムニエール フレッシュトリュフ添え
表示"が、トリュフが表面をおおうようにあり、帆立貝の柔らかい触感がいい。肉料理は"ランド産・鶏股肉のソテー 白ワインヴィネガー風味"だった。
8人テーブルで、右隣りは総合商社、その隣はベンチャー社長、その隣は銀行支店長だった。「東京の人は"インフラは無駄だ"と言っているが、東京は既にインフラが完成している。東京以外の地域は、これからインフラ整備が必要だ」と言う。
左隣りのイベント会社社長は「中国は1200万人都市を、数10ヵ所作ろうとしている。中国は人口が多いので、おそらく完成するだろう。東京は地価が高く、これ以上発展の余地はない。日本も札幌圏・名古屋圏・関西圏・九州圏など、地方を活性化するとよい。中国・四国の瀬戸内は知事レベルでまとまっている。関西・中国はJR西日本でまとまっている。関西・中国・四国は、官民一体となって関西圏として発展すればいい」と言われた。
井上智夫氏と名刺交換した。「阪大病院勤務時代、大阪城の前にある建設省近畿建設局(国土交通省近畿整備局)の医務室に、毎週水曜日午前中バイトに行っていた」と挨拶すると、「お世話になります。近畿整備局はもうすぐ移転して、大阪城が見えなくなります」と話された。
関西は、2025年大阪万博をバネに、飛躍が期待されている。関西など、地方のインフラは東京に比べ遅れている。関西の飛躍には、高速道路網などインフラ整備が必要だ。