近畿庄原格致会と過疎地域医療の危機

2019年10月23日

    20191020日、大阪市北区にある"大阪第一ホテル 表示"で、「近畿庄原格致会 表示」が開催され、38名が出席した。

午前930分、役員が準備のため集合し、式次第・出席者名簿・会員動向・講演会資料・校歌を封筒に入れ、お土産の庄原市西城町産の"アップルパイ"と、竹粉で育てた庄原市山内産のお米"里山の夢"を手提げ袋に入れた。役員の方たちは「庄原日赤病院が三次中央病院に統合され、庄原市内に総合病院がなくなるのではないか」と心配されていた。

午前1130分、記念撮影をし、同窓会が始まった。私は「今日は、ラグビーワールドカップ準々決勝があり、日本と南アフリカが対戦する。50年前、私たちが高校3年生の時、庄原格致高校ラグビー部は広島県大会で優勝し、全国大会に出場した。ブラスバンド部やスキー部も県大会で優勝していた。50年前は、広島県北部の人口が、県の15%を占め、栄えていた。今は、庄原の街も寂れているが、日本が食料不足になると、50年後には栄えているかもしれない」と会長挨拶をした。

藤光有庄原格致高校同窓会会長は「庄原市の人口は、35000人を切り、想定以上の人口減少になっている。庄原の街は、シャッター通りになっている。昨日、亀井静香さんが帰って来られ、"庄原の街も、寂しゅうなったのう"と言われていた。近畿のみなさんとも協力して、庄原を活性化させたい」と挨拶された。

重森佳裕庄原格致高校教頭先生は「ラグビー部は解散し、今はサッカー場になっている。生徒数が1学年120人(私たちの頃は330人)と減少したので、ラグビー部を編成するのは難しい。写真部が全国大会で活躍している。1クラス40人を医療・教職コースにして、医師・看護師や教師になる人材を育成している」と挨拶された。

会長講演「人間ドックとメタボリックシンドローム」に先立ち、私は「先月、926日、厚労省は再編・統合する全国の公立・公的医療機関424病院のリストを公表し、その中に庄原日赤病院が含まれていた。みなさんは"庄原日赤病院が、市立三次中央病院に併合されるのではないか"と心配されているが、規模は小さくなっても、無くなることはないと思う。

今月、1012日、広島県医師会と広島県病院協会(檜谷義美会長)の共催で"地域医療構想・医師偏在対策勉強会"が開催され、日本医師会中川副会長と厚労省医政局課長が出席された。庄原日赤病院の中島院長は、"庄原日赤は公表前からダウンサイジングの方向だった"と発言されている。10月後半から、厚労省は各自治体に説明に行き、庄原日赤がどの程度の縮小になるか決まるだろう。

日本の医療は、御茶ノ水から半径3km以内の東京で決められている。東京の人は、地方の医療の実態を知らない。いい民間病院が多い都会の市立病院は役割を終えているが、民間病院のない過疎地の公的病院は必要だ」と持論を述べた。

民間病院は、採算の合わない過疎地には進出しない。過疎地から病院が無くなれば、人口減少がさらに加速され、自然豊かな日本の国土が荒廃する。国税を使っても、過疎地の公立・公的病院は守るべきだと考える。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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