全国経営者大会と橋本徹・大阪都構想
2020年1月22~24日、東京都千代田区にある"帝国ホテル 富士の間"で「第131回新春全国経営者大会」が開催され、520名が参加した。
1月22日午後1時、橋下徹元大阪府知事・大阪市長による基調講演「決断と実行ー未来に向けての指針」があった。
橋下氏は、「父親が阪大病院で亡くなる直前"わしの人生は、よかった"と言った。2015年5月17日、大阪都構想の住民投票で、49.62%対50.38%で都構想が否決された。その時、ここまで頑張って住民投票までできたのだから、今亡くなっても"私の人生は、よかった"と思った。
40年、50年前から、学者・インテリ・知識人は"大阪府と大阪市が一緒にならないと、大阪は発展しない。大阪都になる必要がある"と言ってきた。これまで、都構想が実現できなかったのは、区割りなど具体案を示さなかったからだ。
大阪府知事の時、大阪市が大阪都構想に反対したので、府知事を止めて大阪市長になった。大阪市と大阪府が協力し、大阪から関空までの時間を短縮するため"なにわ筋線"を作った。市長が部下と連絡するときは、直接会うか紙媒体でないといけなかったが、メールでもいいようにした」と講演された。
講演後、講師控え室に行き、橋下氏と名刺交換をした。「私は、大阪市役所診療所長をしていた。中之島にある大阪市役所の2階で、大阪市長や助役、大阪市市会議員の診察をしていた。上山信一慶大教授ら、橋下市長の5人のブレインのうちの1人は、私たちの仲間だ。講演の中で、"大阪市が都構想に反対したので、大阪府知事を止めて大阪市長になった"と言われていたが、大阪市の課長以上は都構想に賛成で、組合が反対していた」と話すと、橋下氏はキョトンとされた。
「大阪市の課長が中心となって作った異業種の会で、大阪の発展を考えていた。関空ができた時、JRなにわ筋線を作ろうとしても、大阪府はJR東大阪線を作り、協力しない。大阪都構想実現のため上司に働きかけ、大阪市長とJR西日本社長のトップ会談を実現させた」と話すと、橋下氏は「いくら都構想と言っても、具体案を出さないとダメですよ」と言われた。
後で、キョトンとされた理由に気付いた。橋下氏が大阪府知事になった時は、大阪市長は交代し、組合が押す市長になっていた。
橋下徹市長時代は2カ月に一度、橋下氏の側近・部下や新聞社の人達と、酒を飲みながら「以前は会議をすると、次の会議は1週間後だった。橋下市長になって、夜は2時や3時でもメールが来る。今は翌日会議をしている」、「これまでタブーだった所にメスを入れたので、狙われている。広場で演説するときは、狙撃されないよう導線1メートル以内を歩いてもらっている」、「私の大学のクラスメートは北野高校出身で、橋下徹一家の主治医になっている。"お父さんと違い、子供さんはみんなかわいらしい"と言っている」と話をしていた。
全国経営者大会は、小泉純一郎氏、安倍晋三氏、石破茂氏、松澤佑次氏、山中伸弥氏、澤芳樹氏、稲盛和夫氏、張富士夫氏、安藤忠雄氏ら、豪華な講師陣で人気がある。参加者の90%がリピーターで、地方の私立病院理事長・院長やその2代目も多い。橋下徹氏と話ができただけでも、東京に来た甲斐があった。