前田裕二「メモの魔力」と「忘れる力」
2020年1月22~24日、帝国ホテル東京で「第131回全国経営者大会」が開催された。
1月23日午後2時50分、前田裕二SHOWROOM社長による講演「爆発的ロングセラー"メモの魔力"に学ぶ」があった。
司会者は「前田裕二氏は、今最も注目されている若手企業家で、仮想ライブ空間SHOWROOMを創業。秋元康氏や堀江貴文氏から天才と呼ばれている。著書"メモの魔力"は、2019年に55万部売れ、ビジネス本で1位のベストセラーとなった。若者に人気があり、20代の読者では、グラビア本など全ての分野を含め1位になった」と紹介された。
前田裕二氏は「父が幼い頃亡くなり、母が8歳の時に亡くなり、兄と二人になった。路上ライブをして、生活費を稼いだ。自作のオリジナル曲は誰も聞いてくれず、吉幾三や松田聖子などの曲を歌った。
高校を卒業し働こうかと兄に相談したら、"お前は地頭がいいので大学に行け"と兄が学費を出してくれた。早稲田大学に行き、世界的な大手金融機関に入社できた。世界で勝負したいと思っていたので、ニューヨークに行った。ニューヨークでは、午前1時半~2時に仕事が終わり、4時には出勤するという、ほとんど寝ない生活をした。
業績が上がり年収が3000万円を超えた頃から、"右のお金を左に動かしているだけだ。世の中の役に立っていない"と幸福感を感じなくなった。3年で日本に帰国し、DeNAの南場智子社長にお願いして、SHOWROOMを立ち上げた。
メモは左のページに事実を、右のページを半分に分け、右ページの左側に抽象的にまとめたもの、右側に今後の経営に生かせるアイデアを書き込んでいる。例えば、映画"パラサイト 半地下の家族"を観た時は、左ページに映画の内容を、右ページの左に格差社会など抽象的なものを、右ページの右にアイデアを書き入れている」と話された。
私は、全国経営者大会では一切メモをとらず、自分の頭の中に印象に残った話や数字を覚えていて、パンフレットにある題名・演者プロフィール(橋下徹氏
表示・櫻井よしこ氏
表示・清宮克幸氏・世耕弘成氏
表示・池上彰氏
表示)だけを参考にして、メタボ教室第760段から第763段を書いた。講演を聞いて10日経つが、主な内容はまだ記憶に残っている。
橋下徹氏の大阪都構想住民投票の%はネットで調べた。櫻井よしこ氏の自殺者250名、遺体3200名については、1月28日香港在住の人に聞いた。「香港ではその噂を何度か聞いたが、本当かどうか誰にもわからない」と答えられた。
庄原格致高校時代は、作詞・作曲し歌って遊んでいたので、複数のクラスメートから「徳永君は天才だ」と言われた。世界史も、3年2学期になって受験勉強を始め、1週間で覚えた。4日間で1度読み内容を理解し、2日間で覚え、最後の1日で記憶を固定した。高校時代の私の教科書は、真っ白だ。アンダーラインなど一切ひいていない。丸暗記をしていた。
学生時代、不幸な出来事があっても忘れて楽しそうにしている人を見ると、羨ましかった。記憶力のいいことは、メリットとデメリットがある。嫌な出来事や、嫌なことを言われたことを、いつまでも忘れることができない。高齢になって、嫌なことを「忘れる力」ができ、幸福感を感じる時間が多くなった。