新型コロナウイルス肺炎と検査測定条件

2020年2月 8日

    202025日、大阪市中央区にある"美々卯 本店"で「医業種新年会」があり、ホテルグループ会長や弁護士・公認会計士など9名が出席した。

午後630分、ぼたんコース(貝の土佐酢和え・季節前菜取り合わせ・造里・うどんすき・伊予柑ゼリー)を食べながら、順番に近況報告をした。

ベンチャー社長は「日本のGDP20年間上がらないのは、高齢化社会となり労働人口が減ったからだ。大手メーカー・銀行・商社などの企業年金は、年間500万円と高い。実際に働いている若い人の賃金は、300400万円と低い。

今の日本人は、20歳から80歳まで働けるが、60歳で定年後、20年間企業年金だけで暮らしている人がいる。働ける60年間のうち、3分の2しか働いていない。60歳で定年の後は、給料を半額にするといい。私も働かなくても生活していけるが、社会奉仕のため働いている。それに若い人と一緒にいると、新しい情報も入り元気になる」と言う。成る程!と思った。ここにいる9人の多くは70歳だが、全員が現役でバリバリ働いている。

 

私は「今、新型コロナウイルスの集団感染で話題になっている"ダイヤモンド・プリンセス号"に乗るつもりだったが、乗っていなくてよかった。年休が35日残っていたので、昨年(2019年)11月初め、JTBにクルーズ船の予約をしに行くと、"ダイヤモンド・プリンセスが豪華で1番人気です"と言われた。1月~3月に神戸港に寄港するダイヤモンド・プリンセスのクルーズは4つあったが、4つとも既に満室になっており、予約がとれなかった。

今日、医師会から新型コロナウイルス肺炎に関し"武漢に滞在した人で、かつ37.5℃以上か症状のある人のウイルス検査をすることができる"と通達が来た。これでは、香港・広州・上海などに滞在し、肺炎を起こしている人のウイルスを検査することができない。さっきテレビで、吉村洋文(ひろふみ)大阪府知事が"武漢だけでは狭すぎるので、範囲を武漢のある湖北省に広げることにした"と言われていた。これでは、大阪市を大阪府に広げた程度だ。 

医師のサイトでは、"今回の新型コロナウイルス肺炎の特徴は、一般の肺炎に比べCRP(炎症反応)の値が低く、白血球分類で単球が増加し、発熱しないこともある"と書いてある。これは、一般のウイルス性肺炎に似ている。

武漢と日本では、医療体制も違う。日本では死者は出ていない。毒性の強いウイルスに変異すると別だが、テレビは騒ぎ過ぎではないか」と話した。

 

すると、新聞社OBは「テレビは、視聴率が上がるニュースを取り上げる。今、新型コロナウイルスの話題がでると、視聴率が上がる」と言う。

大阪府OBは「大阪府では、新型コロナウイルスの測定は、1日最高で80検体しかできない。湖北省より範囲を広げると、毎日何100件何1000件という検査依頼が殺到する」と言う。そうだったのか!と納得できた。

2011年の鳥インフルエンザの時は、人口が大阪府の7分の1の県で、1日最高600件の検査依頼が殺到した。大阪府で1日最高4200件の検査依頼が殺到すると、1日分だけで測定に50日以上かかる。大阪府が「湖北省滞在で、かつ37.5℃以上」を新型コロナウイルス測定の条件としたことが理解できた。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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