「庄原こどもミュージカル」と新型コロナ
2020年4月14日、広島県庄原市から郵便物が届いた。
庄原格致高校でクラスメートだった藤原剛君からで、「庄原こどもミュージカル設立20周年
表示」の本と"上野池の桜の写真
表示"が入っていた。本は、144ページと分厚いもので、つるつるした紙にきれいなカラー写真が載っている。
藤原君の手紙には「庄原こどもミュージカルが、昨年で20周年を迎え、児玉節(たかし)君が記念誌を上梓しました。僕は子供達の練習風景を写真に撮ってくれるよう頼まれ、それ以来カメラに凝っています。拙い腕で先日4月4日に上野池で桜を撮影してきました。その中の1枚ですが一緒に送りますので懐かしんでください。コロナウイルスのせいで、こどもミュージカルも今年は中止になりましたが、お互いコロナに負けないよう頑張りましょう」と書いてあった。
児玉節君(庄原こどもミュージカル実行委員長)は、中学・高校時代から明るい性格で、ガッツのあるナイスガイだった。庄原格致高校の時はラグビー部で、広島県大会で優勝し全国大会に出場。広島大学医学部を卒業後、庄原市で開業して地域医療に貢献している。
児玉君は、2000年/ピーターパン(パパ役)、2001年/オズの魔法使い(門番役)、2002年/不思議の国のアリス(王様役)、・・と20回とも出演している。どの写真
表示を見ても、楽しそうに踊っている。
夜、藤原君に電話すると「庄原市でコロナ感染者は出ていないが、隣接する三次市のデイサービスで、4月11日30人のクラスターが発生した。湯崎英彦広島県知事が鳥取県知事と島根県知事にPCR検査の協力を依頼している。庄原市の集会は、全て中止になった。
庄原こどもミュージカルは、広島東洋カープの松田元(はじめ)オーナーのお陰で存続できている。松田オーナーの所に、年1回児玉君と行っている。松田オーナーは"カープが資金難だった時、庄原は40席年間予約をしてくれ、カープが存続できた"と庄原に感謝されている」と話してくれた。
4月15日、大阪の職場に行くと、看護師さんが「市立病院勤務時代に同僚だった看護師さん達から、3月末までメールやラインがよく来ていたが、4月になって全く来なくなった。コロナで病院が忙しくなり、メールする時間も無くなっているのだろう」と言う。
夕方、庄原格致高校で同級生だった元大阪日赤病院病棟師長から、"大阪日赤病院の敷地にテントが3つある映像"のラインが送られて来た。近畿庄原格致会の後輩からは「徳永会長はじめ、改めて医療従事者の皆さんに感謝しています」とラインが来た。
4月13日には、阪大2内の後輩医師から「マスコミは"PCR陽性者は、隔離しなければならない"と間違って報道している。感染症法上2類相当というのは"隔離しなければならない"ではなく、"隔離することができる"です。危ない時には一定の条件で、知事に"隔離=人権侵害"の権利を与えているのです」とメールが来た。PCR陽性者は、必ずしも入院しなくていいのだ。
コロナコロナで、先の見えない憂鬱な社会で、「庄原こどもミュージカル」は久しぶりに明るい話題だった。3密(密閉・密集・密接)を避けるため会話することができなくなり、手紙・メール・ラインでコミュニケーションをとる時代になった。コロナが終息した後の社会は、全く違ったものになっているだろう。