吉村知事に聞く9月入学・医療崩壊

2020年5月 3日

    202052日、Yテレビ"あさパラ!"で「吉村知事に聞く、9月入学・休業要請はいつまで」をしていた。

午前9時半、吉村洋文大阪府知事は、大阪府庁からの生中継で、「私はもともと9月入学論者だ。9月入学は、世界のスタンダードとなっている。先進7か国で9月入学でないのは日本だけだ。G20では、日本とインドだけだ。10年後、20年後、30年後の日本の未来を考えたとき、若者がどんどん留学し、世界で活躍する環境を整える必要がある。

教育現場の混乱を防ぐためには、できるだけ早く決めるとよい。今やらなければ、未来永劫できない。コロナで学校間格差が出てきており、9月入学にすれば学力の遅れもリセットできる。9月入学の最大の問題は、新1年生が1.5倍になることだ。これは私の個人的な考え方だが、新入生の誕生月を4月~4月、5月~5月と1カ月延ばし、510年かけて徐々に8月までにすれば解決できる。

緊急事態宣言を受けて、大阪府民・事業者の皆さんの協力で、大阪の49日コロナ陽性者92人(陽性率29%)から、51日陽性者14人(陽性率3.5%)と激減した。56日までとなっていた緊急事態宣言は1か月延びそうだが、休業要請はだらだら続けるものではない。

収入のある人はまだいいが、小さな商店や事業者にとって休業要請は、死活問題となる。休業要請延長なら、補償が必要だ。休業している事業者に一番困っていることを聞くと、固定費・家賃だ。家賃猶予法案を、野党共同で提出している。スピード感を持ってやらないと、倒産件数がどんどん増えてくる。

休業要請の道筋・出口戦略が示されていない。感染症対策を取りながら、いかに日常生活を取り戻していくか。大阪は基準を示し"大阪モデル"で行う。出口戦略で最も重要なのは、医療崩壊を起こさないことだ。府内のコロナ病床は800床あり、ICU病床は188床で、現在61床使っている。病床に余裕が出てくれば休業要請を解除する」と話された。

先月429日(昭和の日)午前1030分、医師会長をしている友人から電話がかかってきて、1時間20分話をした。友人は「敷地内にテントを張って、発熱者は最後に来院してもらい、テントで診察している。3月末マスクが少なくなって、看護婦さんが手作りのマスクを作り、5月末までのマスクを確保できた。アルコールが足りなくなったが、ある所にはある。食品工場の患者さんに話したら、アルコール1斗缶を6本持ってきてくれた。

医療機関は、忙しい所とそうでない所の"まだら状態"になっている。コロナ受け入れ病院は、二つの面で医療崩壊が始まっている。一つは、医師・看護師・医療用防護具不足や院内感染で、コロナ患者を受け入れられなくなってきている。もう一つは、手術や入院・外来患者が減り、赤字経営になっている。収入が30%減になっている病院もある。このままでは、コロナ倒産病院が次々と出て来る」と言う。

コロナ受け入れ病院の中には、手術を半数にし、救急外来を止め、外来・入院制限を行なっている病院もある。大赤字で、コロナ診療報酬を少し上げたぐらいでは追い付かないだろう。コロナ病院倒産ラッシュを防ぐため、コロナを受け入れた病院を重点的に支援する必要がある。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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