コロナ辞職と保健所IT化
2020年5月18日、5日ぶりに大阪にある職場に出勤した。
私が「看護師のコロナ辞職が始まっている病院がある」と話すと、看護師さんは「知っていますよ。〇〇病院でしょ。ナースの9割は、フリーランスですからね。京大系と阪大系の病院があって看護のやり方が少し違うが、すぐに慣れるので、ナースはどこの病院でも勤務することができる。
ドクターは大学の医局から来ているので、病院を辞めるのは難しい。市立K病院が統廃合で民間移行が決まった時、ドクターは辞職しなかったけど、ナースの半数は辞職したでしょ」と言う。
看護師さんの情報収集能力の早さと、その詳しさに驚いた。医師の9割は、大学の医局に属している。大きな病院の人事は、大学医局が持っており、配属された病院を辞めると、中小の病院しか勤務できなくなる。市立K病院が民間移行するとき、看護師さんは5割辞職したが、医師は1割しか辞職しなかった(メタボ教室第730段「市立病院経営」)。
大学医局制度が残っていることが、医師のコロナ辞職が少なく、病院崩壊を防いでいるのかもしれない。
私が「東京都の感染者数(報告漏れ111人、二重計上35人で、76人分増加)が訂正された。保健所に業務が集中しているのではないか」と話すと、看護師さんは「保健所に勤務している友人の保健師が、"新型コロナで、滅茶苦茶忙しくなった。
FAXで来た内容を、パソコンに打ち直している。二重な手間をかけているので、最初からパソコンでやり取りをすれば、その分、時間的な余裕ができる。なんとかならないか"と嘆いていた」と言う。保健所のIT化が必要だ。
午後0時、食事に出た。前日の大阪府新規コロナ感染者数が、69日ぶりにゼロになったためか、テイクアウト姿を見かけない。大阪の街は飲食店が営業し始め、緊急事態宣言が出た4月初めの状態に戻っていた。
"鯛めしや はなび"に行くと、1階カウンター席は1人ずつ間をあけ満席で、2階に案内され、4人用テーブルを1人で使った。ソーシャルディスタンスが保たれている。1000円の「はなび御膳
表示(小鉢3つ・造里・天ぷら・ハンバーグ・鯛めし・味噌汁・蕨もち)」を食べた。テイクアウトより、店で食べる方が美味しい。
午後3時、問屋さんが来たので、2800円の医療用フェースシールドを2個と、インフルエンザワクチン400人分を注文した。問屋さんは「医療用フェースシールドは、今、全く在庫がない。いつ入るかも分からない。入っても、大病院に優先的に渡すことになっている。医療用アルコールもない」と言う。
先週の5月14日、大学時代のクラスメートの内科クリニックを2カ月ぶりに訪ねた。待合室にある5人掛けの長椅子は、✕印が2カ所あり、3人掛けになっている。診察室に入ると、2m離れた患者用の椅子の前は、太い紐で遮られ、それ以上近づけないようになっていた。同級生はマスクをし、フェースシールドを付けて診察していた。
コロナ辞職を防ぐには、少なくともN95マスク・医療用フェースシールド・医療用アルコールなど防護用品を十分備蓄しておくことが必要だ。今、保健所の業務が多すぎる。業務を少しでも少なくするため、新型コロナ第2波が来る前に、FAXで連絡するのではなく、パソコンでできるよう準備しておく必要がある。