大阪府休業要請一部解除とコロナ後の社会

2020年5月17日

    2020516日、大阪府は今日から休業要請を一部解除した。

午前8時、吉村洋文大阪府知事が、Yテレビ"ウェークアップ!ぷらす"の「大阪モデル 今後の戦略は」に生出演された。

吉村知事は「休業要請を解除したのは、劇場・映画館・大学・学習塾・博物館・美術館・図書館・生活必需でない商業施設、床面積1000m2以下のネットカフェ・マンガ喫茶・パチンコ店・ゲームセンターなどの遊興・運動・遊技施設。

営業時間を緩和したのは、居酒屋を含む飲食店で、営業時間を午後10時まで、酒類提供を午後9時までと、緩和前から2時間延長させた。休業要請を継続しているのは、キャバレー・ナイトクラブなど接待を伴う飲食店、バー・カラオケ・ライブハウス、床面積1000m2以上の遊興・運動・遊技施設とした。

パチンコ店など近隣県に行かないよう、この基準は京都・兵庫とも完全に合わせた。和歌山とも基本的に合わせた。できるだけ広範囲で合わせていきたい」と話された。

私に関係があるのは、運動施設が解除されたことだ。太極拳の教室が4月初めから休業となり、自宅自粛で脚力の低下を感じていた。これ以上、休業要請がつづくと、運動施設に通っていた高齢者の体力が衰えフレイルが増える。

吉村知事は「コロナ後の社会は、パラダイム・シフトが起こる。生活面では、キャッシュレス化・ネット通販の拡大。企業活動では、テレワークなど在宅勤務推進・ハンコや書類文化からの脱却。教育では、オンライン授業導入・9月入学など抜本的な改革。政治では、中央集権から地方分権への転換、道州制などの広域連合体になる。

コロナの影響で休校がつづいている。3月までに授業を終えるか考えた時、既存の概念に捉われるのではなく、もっと新しいことに、どんどんチャレンジすべきだ。9月入学ができるかどうかは、政治の腹一つだ」と話された。

オンライン授業の遅れについて、別のテレビで専門家は「全国の生徒が11台ずつパソコンを持つよう、文科省は各都道府県の教育委員会にお金を出している。生徒のパソコンのための費用が、別の用途に使用されているのではないか」と解説されていた。

午後8時、コロナ病院の友人から、電話がかかって来た。友人は「今、コロナ患者が20数人入院し、3人がECMO(人工肺)を使っている。防護服は十分供給してもらい、コロナ患者待ち用の病床代も手当てしてもらっている。手術着が不足しており、手術数が半減している。

コロナ病棟に従事した看護師さんには、その分手当てを出してもらっている。私の病院はまだだが、"感染するのが怖い"、"家族に感染させるのが怖い"という理由で、看護師さんが次々と辞めていっているコロナ病院がある」と言う。

職場の看護師さん(メタボ教室第783段「コロナ病院看護師の声」)は「看護師不足がつづいている。職場を選ばなければ、看護師斡旋業者が、いくらでも職場を紹介してくれる」と言っていた。

大阪府は、休業要請を一部解除した。コロナ後の社会は、IT化など全く違った社会になっていることだろう。コロナ病院では、手術着の不足がつづき、看護師コロナ辞職が始まっている。新型コロナウイルス感染症の第2波が来る前に、医療体制を整えておく必要がある。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

著作権について