新型コロナ発生届出とFAX・ハンコ社会
2020年6月3日、日本医師会から「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第2版」が送られて来た。
診療の手引きは2020年5月18日出版で、病原体・臨床像・症例定義・診断・届出・重症度分類とマネジメント・薬物療法・院内感染対策・退院・生活指導と32ページある。届出では、診断した医師が直ちに最寄りの保健所に届けることになっているが、オンライン化されていない。
発生届
表示は、発生年月日・医師の著名又は記名押印・病院名・所在地・電話場号・当該者氏名・性別・生年月日・年齢・職業・住所・電話・症状・初診年月日・診断年月日・感染したと推定される年月日・感染原因・感染経路・感染地域・届け出時点の入院の有無など、全て手書きしFAXしなければならない。
私が「保健所の人は、FAXで来たコロナ発生届を、パソコンに入力しなくてはならない。手書きでなく、最初からパソコンで打ったものを送れば、保健所の人も助かる」と話すと、看護師さんは「そうですよ。最初からパソコンで送り自動的に集計できるようにしておけば、重複したり抜けができたりするミスが少なくなる。・・ハンコを押すためだけに出社している社員がいる」と言う。
私は「平成初期、O市役所診療所に勤務していた。市役所内にはFAXもパソコンもなく、パソコンの持ち込みも禁止されていた。市役所の友人に聞くと『O市役所には400人の逓送員がいて、バイクで区役所間の書類を運んでいる。FAXを導入すると、逓送員の職を奪うことになる。給料も振り込みだけではダメで、現金でも受け取ることになっている。振り込みだけだと、給料袋に現金を入れる人の職を奪うことになる。
パソコン導入は、労働組合が反対している。O市役所の幹部もパソコン導入反対を容認している。若い職員の方がパソコンをよく知っているので、上司が部下に教えてもらうことになり、役所内の上下関係が崩れる』と答えてくれた」と話した。
看護師さんは「私も市立病院勤務時代、給料は振り込みと現金の両方をしなくてはならなかった。看護師の仕事は不規則なので、給料日に出勤するとは限らないので"全額振り込みにしてくれ"と頼んだがダメだった。給料日出勤の看護師さんに頼んで、現金を受け取りに行ってもらっていた。
コロナ自粛で家庭内暴力が増え、友人の保健師は『母子家庭を父親から離す"シェルター"を見つけるための業務が増えた。大阪から他府県の施設への移動が難しくなって、シェルターがなかなか見つからない』と言っている」と言う。
午後0時、大阪の街は無風状態だった。"東京アラート"発動の翌日だが、大阪はコロナ感染者ゼロの日がつづいている。とろさば料理専門店「SABAR」に行くと、2階に案内された。"大とろさば塩焼き定食
表示(サラダ・漬け物・さば出汁スープ付)"を食べた。壁には、おかだますだ・武井壮・蓬莱大介ら24枚の色紙が飾ってあった。
保健所の業務は多種にわたり、新型コロナで忙しくなっている。日本の電子化は、諸外国に比べ遅れている。新型コロナ発生届出をオンライン化すると、医師や保健師の業務は減る。新型コロナ第2波に備え、FAX・ハンコ社会をオンライン社会に変えておく必要がある。