太極拳・スポーツジム・オンライン診療
2020年6月5日、新型コロナで休業していた大阪府高槻市の「太極拳教室」が、2カ月ぶりに再開された。
午後6時、練功十八法・八段錦・太極拳を行なった。「生徒数が減少し赤字になったので、太極拳教室を7月17日で閉鎖します」と告げられた。リクライニングチェアに座ってテレビを見る2か月間の自粛生活で、長く歩いたり、長時間椅子に座ったりすると右の腰が痛くなるようになった。脚力は落ち、歩く速度も遅くなった。2005年6月から、15年以上毎週金曜日に通っていた太極拳ができなくなるのは辛い。私の周辺でも、自宅自粛で体力が落ちている高齢者が多い。
妻が通っていたスポーツジムも、6月1日から再開された。妻は「ジムは休会届や退会届を出した人が多く、来ている人はコロナ前の3分の1以下だ。30分間エアロビクスをして、1時間消毒と換気をし、30分間ヨガをして、1時間消毒と換気をする。30分では短くて、集中できない。トレーニングマシーンは、一台ずつ仕切られていて窮屈な感じがする」と言う。オンライン指導など取り入れないと、ジムの経営は難しくなるだろう。
6月9日、開業している大学のクラスメートから電話で会食の誘いがあり、大阪府吹田市にある「千里阪急ホテル」で食事をすることになった。私にとって、夜の会食は4カ月ぶりだ。
午後6時、ホテル1階ロビーはホテルの人2人のみだった。中華料理は、大皿でとるためかまだ開いていない。宴会場のある2階は、暗くひっそりとしている。
2階東館にあるフレンチ・和洋会席「ボナージュ」で、オードブル(カンパチの真空調理 香草風味)、八寸(手長海老艶煮など)、スズキの白ワイン蒸し、牛肉のエギュイエット、鱧柳川風小鍋を食べながら話をした。
友人は「火曜と木曜は午後診を休診にしている。コロナで長期処方が多くなり、患者数が少し減少している」と言う。
私は「都心の診療所は、ガラガラの所がある。郊外で開業している阪大の後輩医師は『3月は患者数が増加し、開業以来の最高記録になった。5月はさらに2割増加し、待合室は芋の子を洗うようになったので、車の中で待ってもらうようにした。新規患者は、ネットや口コミで開業医を選ぶので、人気のクリニックに患者が集中する。忙しくて、体がもつか心配だ』と言っていた」と話した。
友人に「厚労省はオンライン診療を進めようとしているが、日本医師会は反対している。これから開業医は、どちらの方向に進めばいいのか。オンライン診療は簡単にできるのか」と聞かれた。
私は「近くの産業医はコロナ感染を防ぐため、対面診療を止め、オンライン診療のみにしている。過疎地の医療は、オンライン診療をやらざるを得なくなり、ドローンを使って薬を運ぶようになるだろう。中国では、日本生命のような保険会社が6億人と契約を結び、すでにオンライン診療を行っている。日本の過疎地ではオンライン診療で、大阪や東京の名医の診察を受けたり、ロボット手術を受けたりすることができるようになるだろう」と答えた。
新型コロナで自宅自粛した多くの高齢者が、体力や脚力の低下を起こしている。自宅自粛で、寝たきり老人が増加することが懸念される。次にくるコロナ自粛では、人の少ない屋外での散歩や運動を取り入れるとよい。