韓国ドラマ「愛の不時着」と日本のドラマ
2020年7月4~9日、韓国ドラマ「愛の不時着」全16話を観た。
愛の不時着は、北朝鮮で裕福な家庭に育った軍人と韓国の財閥令嬢の純愛を描いたもので、韓国ではtvNで2019年12月14日から2020年2月16日まで放送され、tvN史上歴代1位の最高視聴率21.7%を出している。日本でも新型コロナウイルス自粛中、爆発的な人気となった。
韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)は、パラグライダーで飛行中、竜巻に巻き込まれて非武装地帯(DMZ)の林に不時着する。そこで、朝鮮人民軍総政治局局長の息子のリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)と運命の出会いをして、2人は恋におちる。
ヒョンビンの正義感・強さ・家族愛は、若き日の私の父
表示に似ている。ソン・イェジンは、ソン・スンホンと共演した「夏の香り(2003年)」以来、17年ぶりだ。あれから17年経ち、ソン・イェジンも38歳になった。2003~2004年頃、韓国ドラマにはまっていた。
第13話では、チェ・ジウが出てくる。チェ・ジウのドラマは、ペ・ヨンジュンと共演した「冬のソナタ(2002年)」、イ・ビョンホンと共演した「美しき日々(2003年)」や「天国の階段(2003年)」などを観た。韓国旅行をした時は、"冬のソナタツアー"に行き、春川高校など見学した。
北朝鮮は暗いイメージがあるが、ドラマではユーモアもあり明るく生活している。北朝鮮の田舎の生活は、薪でご飯を炊いたり、洗濯板で洗ったり、たまに停電してロウソクで過ごす所など、私が育った広島県庄原市の昭和30年頃の日常を想い出させる。
愛の不時着では、韓国外でのロケも多く、モンゴルのウランバートル駅、スイスのアルプス山脈
表示など美しい風景が随所に出てくる。アクションあり、カーチェイスあり、銃撃戦ありと、エンターテイントメント性も高い。あまり見たくない暗いシーンは長く続かず、さっと明るいシーンに切り替わるのもいい。
テレビで芸能リポーターが「韓国ドラマは1シリーズを、13~27億円で製作している。世界でも見てもらえるよう、国が資金を援助している。韓国ドラマは、日本のドラマに比べ、制作費をかけているので面白い」と解説している。週刊誌に「テレビドラマは一般に1話3000万円だが、"相棒"は7000万円、"ドクターX~外科医・大門未知子"は8000万円と高いので昼に再放送している」と書かれていた。
東映の映画監督と、伊丹の自宅でコーヒーを飲みながら、ドラマの打ち合わせを2時間した時、監督は「テレビの"水戸黄門"に関わっていた。水戸黄門は、松下幸之助の意向で1話1億円、1シリーズ12億円で製作していた」と話され、水戸黄門や助さん・格さん役の1話当たりのギャラも教えてもらった。
10年前、テレビ局の人と話をした時、私が「最近のワイドショーは、偏ったものが多いのでは」と聞くと「スポンサーからの収入が激減したためスタッフが減り、一方の人からしか取材ができなくなった」と答えられた。
韓国ドラマ「愛の不時着」は、北朝鮮の田舎やピョンヤンの生活を知ることができ、見応えのあるドラマだった。日本のドラマが低調なのは、制作費が少なくなったためと考えられる。いいドラマを作るためには、制作費を増やすことが必要だ。