「最後の太極拳」と久留米の想い出
2020年7月17日、大阪府高槻市で太極拳を行なった。今日で、15年間、毎週金曜日午後6時30分からつづけてきた太極拳が最後になる。
午後6時30分、窓を開け換気をよくし、マスクをして練功十八法・八段錦・太極拳・不老拳を行なった。最後に円形になって座り、各自太極拳の想い出を語った。60歳から84歳で、全員が14年以上、太極拳をつづけていた。
私は「2005年6月から15年2カ月間、有り難うございました。太極拳をしたことで、体も心も10年若返りました。太極拳は、踵を軸につま先を回すので、転倒予防にもなりました」と話した。
重見師範は「徳永さんは15年前来られた時に比べ、歩幅が広く速く歩かれるようになった」と誉めてもらった。私自身も15年前に比べ、随分歩くのが速くなったと感じていた。太極拳の、できるだけ息を長く吐くという呼吸法に従い、歩くときは左右の1歩1歩を、息を「吸って(左足)、吸って(右足)、吐いて(左足)、吐いて(右足)、吐いて、吐いて、吐いて、吐いて」と、8歩を1クールとしていた。
太極拳をする前は、猫背の小刻み歩行で、"前のめりの省エネ歩行"と呼ばれていたが、胸を張り、肩から腕を振り、真正面を見て歩くようになった。吉田拓郎作詞作曲、かまやつひろし唄"我が良き友よ"に出てくる「肩で風切って飛んでいく」という感覚が、学生時代はわからなかったが、初めて実感できるようになった。
重見師範夫妻は福岡県久留米市出身で、久留米に帰省された時はよく「九州くるめ昔菓子黒棒」をお土産に買ってこられていた。
久留米大学内分泌代謝内科の野中共平元教授から「臨床医学研究医学・講演集
表示」(論創社2020年7月30日発行)が送られて来た。136ページある大作だ。野中共平教授は、阪大2内の16年先輩になる。87歳でも、元気に執筆されている。野中先生は、ソフトドリンク症候群(ペットボトル症候群)を提唱されたことで有名だ。
野中共平先生に、久留米に招待されたことがある。1996年11月1日、伊丹空港午前9時40分発全日空で11時福岡空港に着き、久留米の萃香園ホテルへ行った。萃香園は、チェッカーズの藤井フミヤが披露宴をしたホテルとして知られている。午後0時30分、85名の久留米ロータリークラブの方に「肥満と標準体重」の講演を1時間行なった。
柳川の御花で"鰻のせいろ蒸し"を食べ、有明海
表示へ行き、泥に埋もれたムツゴロウ
表示や蟹を観た。午後6時30分、第17回久留米・佐賀糖尿病臨床研究会で「肥満症とマルチプルリスクファクター症候群」の特別講演を1時間行ない、質問を30分間受けた。
翌11月2日、久留米大学内分泌代謝教室へ行き、山田研太郎先生(阪大2内の3年後輩)に研究室を案内してもらった。後日、野中教授に伊丹市医師会で糖尿病の講演をしてもらい、夜は大阪北新地にある"神田川"でスッポン料理を食べた。神田川俊郎に、サイン入りの本「神田川料理道場
表示」を貰った。
重見師範から「ごめんなさいね。いろいろな方に尋ねたが、新型コロナで夜間太極拳を行なう教室はなくなった」と気遣ってもらった。私は「これから、コロナの第2波、第3波が来たら、昼の太極拳もできなくなりますね」と別れを告げた。